[お嬢さん(Señoritas)の日常] 60点
コロンビア産まれカナダ育ちの新鋭監督リナ・ロドリゲス。彼女の長編デビュー作である本作品がMUBIに登場した。正直名前も知らなかったが、一枚絵が中々に魅了的だったので見てみてることにした。MUBIの一枚絵はいつも魅力的という説はこの際どこかに仕舞っておく。
ボゴタ出身のアレハンドラの生活を丁寧に追って現代の若い女性像を構築しようとした作品であり、コロンビア版「カールズ(レナ・ダナム版)」とも言われている本作品。まぁ少しアレハンドラもレナ・ダナムに似てる感じもする。しかし、話としては些か冗長な場面が多く、歩いているだけのシーンなどの長尺カットはあまり拘りの感じられるものではなくただ撮っているだけの様に見えて残念だった。本作品に足りないのは"決定的な美しさ"であり、87分ですら長く退屈に感じられる。
MUBIの解説は"家父長制社会に対する若い女性の立ち位置を優雅に問う傑作だ"としているが、流石にそれは言い過ぎなんじゃね。悪い映画ではないが、ジャンル的に飽和したメインストリームにまた一本加わっただけに過ぎないというのが私の考えである。
