ワイルドツアーのsukeのレビュー・感想・評価

みている人間にとっては何も起こっていない日常は、個々にとっては無意識の中でも特別な瞬間への予感をはらみながら積み重なっていっているという特別な日常として存在している。登場人物が各々の目で人や場所、時間を切り取り、そのシーンが混ざり合ってできているのがこの世界なのかと思わせられる。世界に人や場所を通して繋がっていることを再確認した。若者たちがその主体となったこの映画では、それがピュアに、暖かさと微笑ましさ、そして懐かしくも普遍的な切なさとブレンドされて感じられる。