テクスチャーの表現がすごい。冒頭のホッケーのシーン、終盤の心拍数上がってパニック発作っぽくなるシーンの真に迫る感じが良かった。
期待するべきことではないが、料理はビジュアル的に美味しそうには撮られていない。それでも舞台となっている場所に行ってみたいと思うのは、そのレストランをかたちづくるシステムや要素の関わりの良き部分を切り取>>続きを読む
苦難のなかに生きる女性の姿。対照的に男性は支配的な立場にいながらどこかスケールが小さい人が多い印象。
くどいくらいのキラキラカメラフィルターなどで華美にされた歌手としての成り上がりの物語のパートやロマ>>続きを読む
暗闇とか影を多用したホラー演出が巧みだった。ドントブリーズ的な無音の恐怖も。エイリアンという巨大な既存キャラクターやその世界観を当世風に落とし込んだ感じで楽しい。
アンドロイドのキャスティングや役割、>>続きを読む
言語化しにくい雰囲気の良さ。嫌味のない素朴さというか良い人感。20年前とか30年前の感じのノスタルジーをかき立てるようなオーラと、侍・武士のスピリット、映画制作文化のおもしろさがミックスされてて楽しい>>続きを読む
登場人物たちが都市をさまよう成仏できない霊魂のようだった。空き部屋や納骨堂、闇市や開発される公園など、場所とその場所における存在/不在を通底するテーマにしながら、愛や生きづらさを描いていた。
過去と現在未来、生と死、聖と俗、男と女、金と愛などの異なる価値観を反転させていくうちにそれらが溶け合っていき、厭世的でありつつ、しかし希望や楽観的な視点もありつつ、でもまたそれも100%でなく、そうし>>続きを読む
ポップでちょっと古い感じのアレンジのテーマ曲を聞けてよかった。異なる時制のパートが何度か挟まれてくるが、あんまり効いてこないというか、あくまで本筋と曲を豪華に見せつける作戦か。
作品を点じゃなくて線で見たり見せられたりして、しかもその線にワイドショー的な感じでさまざまなトピックが装飾されていたりするビッグバジェットの、特にMCU作品に対する社会の目線をうまく取り込んでエンタメ>>続きを読む
開け放たれているのに白飛びして外が見えない窓。強調される部屋に取り付けられたドアの、電子キーの操作音。不在の人物に対する会話。ローファイなギター。
映画監督の男性が全てのシークエンスで、画面に映ってい>>続きを読む
男の同性に対する嫉妬心ほかネガポジ入り混じった複雑な感情が、性的な視線とは少し異なる印象のドライな雰囲気の美しい映像で描かれる。他者にそうした視線を投げる人物もまた、異質なものとして見られる視線を意識>>続きを読む
劇のシーンを橋渡しに場面転換にするのがかっこよかった。
ディレクターと演者がアウフヘーベンして作品が出来上がるカタルシス。
役者が役者として役を演じる難しさと力量を直に感じる感じが、カサヴェテスのオー>>続きを読む
ハリウッドの影響を感じさせながらも武侠物っぽい流れの中に位置していそうなアクションや時間、映像感覚。かなりもさい感じがするが、味といえば味か。
重たさを目指したものが時代の流れでスカっぽくなっている独特の美学。軽い色調が90年代〜00年代の日本のドラマっぽく、親しみやすいエンタメ感。
furyroadの世界観そのままに、スピンオフを見せてもらえてありがたかった。スピード感あふれるアクションに情報量も多いはずなのに、丁寧な編集だからかノンストレスでスムーズに見られるのがすごい。
男性>>続きを読む
何カメ体制で撮影しているのか、被写体くらいの年齢の人たちとどうやって関係性を構築したのか、裏側がいろいろと気になるくらい、コンテまで書いて作り上げたんじゃないかってくらいのドラマのようなキャラクターと>>続きを読む
新旧の価値観の相違と相入れなさが人間ドラマとして丁寧に描かれている。余命宣告、恋が結ばれるか結ばれないかのサスペンスがどれも引き伸ばされつつあっさりと意外な展開を迎える。
高峰秀子が舌を出すか出さない>>続きを読む
音楽が印象的だった。男女の恋愛と友情と偏執的なスポーツへの求道が奇妙な形で絡み合ったヘンテコさがおもしろい。テニスというスポーツが選ばれているのも興味深い。観戦形式や攻防のあり方など、イジリもありつつ>>続きを読む
原作漫画を読んだ時の感動や読後感。声が入り、絵が動くことでよりストレートに表現が伝わる感じ。躍動感が合うストーリーや絵だった。
壁一面に写真やポスターを貼って装飾する部屋の斬新さや、テレビ画面の中の歌手の眼差しが印象的。前者に関してはコメディの理不尽、シュールな飛躍からの産物にみえるし、テレビからの眼差しに恋する主人公は、笑い>>続きを読む
小ボケとアンニュイなリアクションの連続。笑えるかどうかがコメディの絶対的な評価基準ではないことを考えるが、その場合のコメディというジャンルのあり方としてなにがコメディなのか難しい。
同一シーンでもカットを多めに入れて推進力を上げて、そのスピード感が登場人物の生き方や時間感覚にもシンクロしているようだった。大きな政治的な事件や時代の潮流の中の個人的な恋愛や人間関係の変化の物語だが、>>続きを読む
重度の障害を持ったお子さんとの20年の月日が、映された家族の今の姿に凝縮されている雰囲気があるが、あくまで他人のその月日を追体験はできないので、思いを馳せるしかない距離感。
タイトルになっている花子さ>>続きを読む
シゲちゃんと父親の会話の、劇的なおもしろさと意味深さ。そしてそれに連なる父親のインタビューシーンの衝撃。これを撮影するために被写体やその家族、施設の人々と作り上げた人間関係が思いやられる。
シゲちゃん>>続きを読む
存在しない人物を触媒に、パレスチナの過去と撮影時点での現在の人物、現場をつなぎ留める。目に見えないものの力というか影響力、過去や歴史がいかに今につながるのか、公開時から時間の経った今でもインパクトを持>>続きを読む
連続性と不連続性。厳格な様式美と反復のユーモア。人物の移動、フレームインとフレームアウトの仕方に驚く。カラーの高峰秀子に見つめられると少し不気味。
固定カメラの切り替えと主観ショットの排除による、ドキュメンタリーというか観察的な視点。収容所を後景に配しながら、その前景となるナチスドイツ軍人の生活と同じレベルで、頭の中で前景化する。映画の視点、映さ>>続きを読む
産業構造や制作システムに浸透した男性主体の目線。映像言語の、良くも悪くもさまざまな境界を超えるその影響力を鑑みるに、この作品のメッセージや映画におけるフェミニズム論の重要性は、これからまだ見たことのな>>続きを読む
CGや特撮単体の技術力の高さはもとより、それを自然の複雑な色調や色彩と織り交ぜることによる、ポストアポカリプスの世界の説得力の持たせ方がすごい。全部CGでやってしまうこととの差異が際立ち、撮影の意識が>>続きを読む
場に溶け込みながら活動を淡々と見つめる。そんな中で被写体がカメラにリアクションして撮影者も反応する場面を入れてきて、そういうところにざわつきがある。
活動を通して人々の記憶をめぐる営みをうつしていくが>>続きを読む
オーストラリアの岩山にふわふわ衣装の女学生を置いた画が不思議な感覚を与える魅力になっている。その不安感とかアンバランスながら調和が取れててしっくり来る感じとかが、不穏なストーリーと合間って独特な雰囲気>>続きを読む
WWEのような、ビジネスとエンタメという前提を飲み込んだ上で割り切ってファイトをかっこいいものとして楽しむ。そうは言っても必要な長さではなかった気がする。
屋内の、カメラをあまり動かさないシーンが良かった。含みのある役を上手くやる役者を、含みのある感じで撮るのが良かった。
シドニー・スウィーニーが、演技も良かったしその人をとるカメラも、照明など含めて他の人と比べても気合いが入っていた印象。
映画作品などのフィクションとインタビューによる、失われた歴史の補完。フィクションといえどその存在自体は事実であり、また真の客観性を獲得し得ない歴史というものが、さまざまな角度からの視点を持った証言など>>続きを読む
車の背面から後ろに向いたドライブショットや、見せない描かない部分や飛躍したカットなど、いい意味の引っ掛かりというか、気になる部分、驚きが多かった。
説明会やオンライン会議、車中の会話などは、特におもし>>続きを読む