sukeさんの映画レビュー・感想・評価

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ブギーナイツ(1997年製作の映画)

4.5

力学を感じる映画だった。時代や時間、運命などの流れの中の、カメラや人物の抗力と、それを遮ったり逆流したりする抵抗力との摩擦に生まれるドラマ。
フィルム、レコード、テープ、ローラースケートや車のタイヤ、
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春原さんのうた(2021年製作の映画)

4.0

開け放たれたドアや風によるカーテンなどの光のゆらめきの映像、環境の音響が、映画内の、世界と人物のつながりを空気の動き、時空間のアクションで見せる。
夢、幻想、記録や記憶など、「存在」に対するアプローチ
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グリーンバレット(2022年製作の映画)

3.0

だらっとしたさりげない会話が自然で魅力的だった。お笑い的な会話のやり取り、漫画とかだと読み手が結構脳内で補正できるが、動画だと発話者の力量とか映像の前後のリズムとかがあるから難しい表現になるのかもしれ>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.5

逆パターソン。日常系の根拠なき楽観主義に対するアンチテーゼのようで、母という立場や家庭という監獄にとらえられ、喜劇にも悲劇にもならないただ生きるための「生活」を強いられることのフラストレーションとその>>続きを読む

最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

4.0

現代日本の若者のリアルを、殺し屋というファンタジーと高度なアクションによってエンターテイメント作品化している。主人公の演技が異常にリアルですごい。詠春拳などのカンフーにガンアクションを加えたジョン・ウ>>続きを読む

ハスラー(1961年製作の映画)

3.5

ラストの試合が衝撃的だった。もともと抑制の効いた音効使いだったが、最後も比較的スローなテンポの劇伴と優雅なカメラワークで、ただそこから抑えきれないエネルギーのようにカットのテンポが一瞬上がったりするが>>続きを読む

蜘蛛巣城(1957年製作の映画)

3.5

霧たちこめる山?に築かれた城のセットなど、想像もできないくらいの撮影のスケール。所在のわからない浮遊感、非現実性と幽玄なダークファンタジーの世界を実写で描くすごみ。去年見たジョエル・コーエンのマクベス>>続きを読む

ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

3.5

2〜3本の違う作品がねじり合わさった読後感。本当のことも嘘のことも、その真偽関係なくとにかく情報過多な超情報化社会での他者への信頼、信じること、信仰のあり方を体感させながら描く。物語を通して、最終的に>>続きを読む

バリー・リンドン(1975年製作の映画)

4.5

バロックから近代にかけての西洋絵画的な美しさの画の作り。それを支える衣装、小道具、建築などの美術の完成度。そして自然光や照明の撮り方ふくむ光の美しさ。
そうした絵画的な美しさを映画というアートフォーム
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昭和残侠伝 死んで貰います(1970年製作の映画)

4.0

漂うホモセクシュアル。女性をダシに男性性の濃度を高める。
任侠の美学と死の哲学。封建社会の武士道とはまた異なるルールの生き様に感じた。
東東京の昔の雰囲気の良さと、明るめの室内。あんまり味わったことの
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曳き船(1941年製作の映画)

4.0

ポエティックなセリフまわしとドラマチックな展開。パニック系のジャンル映画的な要素やメロドラマ要素、コメディ要素など様々で、劇的なラストも満足度高い。巨大な船のパーツの運動。浜辺を歩くロングショットの幻>>続きを読む

毒薬/我慢ならない女(1951年製作の映画)

3.0

昔のコメディを今見て語りうることは何か考えさせられた。おもしろみや映像表現の技術的な側面の普遍性、作家論や映画史的な視点で捉える以外にどう楽しむのか。特にシニカルな笑いやその表現に対しては変化する価値>>続きを読む

恐怖の報酬(1953年製作の映画)

4.0

癖のある構成が印象的。トラックで爆薬を運ぶっていうメインのストーリーが始まるまでの、ドライバーたちの平場のシーンが結構たっぷりで、全体の半分くらいある印象だった。それがそんなに無駄にはなっていない感じ>>続きを読む

モダン・タイムス(1936年製作の映画)

3.5

ヒロインの描写から少女趣味的な部分がなんか感じられて不気味だった。ギャグの濃度や密度は意外と薄めだったが、変な状況が展開していくのは楽しかったし、カットはいろいろ決まってた感じがした。体張ったギャグは>>続きを読む

明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

4.0

主人公を置いた自然などの美しいカットと、主に登場人物たちの主観的な目線の、事物に対するかっこいいカットのメリハリがいい。編集のリズムも緩急あって気持ちよかったり、音楽の使用をけっこうストイックに抑えて>>続きを読む

幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

4.0

初めてのピエールエテックス。自身の身体性や、主人公主導で引っ張っていく喜劇というよりかは、主人公の周りの世界が主人公きっかけでおもしろスイッチが発動して、登場人物たちがけっこう均等に関連しあって独特の>>続きを読む

大恋愛(1969年製作の映画)

4.0

シュルレアリスム。主人公の妄想、空想が現出するという演出はそんなに珍しいものではないと思うが、地の物語からその空想的なシュールなカット、シーンへの移行が異常にスムースな感じだった。またそれが多用される>>続きを読む

あのこと(2021年製作の映画)

4.0

タイトな画角と被写体の距離感により、主人公の背後霊みたいな感じで主人公の体験を目の当たりにさせ、ロジックというよりは感覚に訴えてくる感じの演出がすごかった。
「サウルの息子」を思い出した。法や規範に基
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黄金の馬車(1953年製作の映画)

4.5

画面内のフレームの行き来から、第四の壁の内外への行き来まで。時空間を自由に飛び回る役者のアクションと色彩。やたら舞台っぽく映る(映した?)映像から、切り返しのショットで客席ではなくただの白壁が映る時に>>続きを読む

ブラックアダム(2022年製作の映画)

3.5

ロシア・ウクライナ戦争以前の、現代アメリカの中東への介入の歴史や国際安全保障に関して、娯楽作品としてとても示唆的で、西側の視点、価値観であり楽観的ではあるがそうした事象に対するゲートウェイとして機能し>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.0

現実の生態系への緻密なアプローチが生んだであろう想像の世界観の完成度の高さが、前作よりもさらに深まっている。肌のテクスチャーに顕著だが、それを可能にしている技術力に長時間の視聴を飽きることなく続けられ>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.0

歴史、過去に想いを馳せて繋げることで成り立つ世界や人生について添加物加えて口当たりよく多くの人に示唆を与える意義の深さ。マスの消費に対してもそうした営みに巻き込む制作陣の志が尊い。
過剰なピュアネス、
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.0

騎士道物語にモチーフを求めながら、騎士未満の状態の男を主人公にすえることで非常に人間臭く、また現代的な人物像になっていた。それをデヴ・パテルが好演する。
数々の古典をはじめ、GoT、指輪物語などの現代
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武士道残酷物語(1963年製作の映画)

4.0

武士道が時代を越えて現代に至るまでの日本人あるあるだとじっくり気付かされる仕組みが良い。中村錦之助の七変化も楽しい。
各パートごとに結構個性があり楽しい。特に残酷物の雰囲気が最高潮に高まる闇の太刀のパ
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恋におちたシェイクスピア(1998年製作の映画)

3.5

セットと衣装、美術やロケ地の選定が凝っていてすごい。
しょうもないボケ、小ネタなどが多々あるが、わかると嬉しいシェイクスピアや演劇史関連のパロディも。そうしたパロディが全体としてオリジナルの恋愛非喜劇
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豚と軍艦(1961年製作の映画)

4.0

事象だけだったら孤狼の血とかアウトレイジみたいな雰囲気になりうる話をカラッとユーモアも交えて描きつつ、一方でだからこその社会の底辺のうごめきの悲哀や横須賀ひいては社会全体の搾取のシステムみたいなものへ>>続きを読む

幾多の北(2021年製作の映画)

3.0

アニメーションをみているというよりも、イラストを見ている感覚に近かった。機械的な細かな動きや筆致の痕跡、すでに場面全体が構成されたなかでのカメラの動きや画角の変化など、比較的スクリーンに映るものに対し>>続きを読む

The Fourth Wall(2021年製作の映画)

3.5

実写とアニメーション、アニメーションもさまざまな技法が織り交ぜられているが、そうした技法のコラージュが想像力にドライブをかけて印象的な世界観とビジュアル、動きとなっていた。

レインマン(1988年製作の映画)

3.0

印象的なビジュアル。良くも悪くも引っかかりがないくらい分かった気にさせるように作られていて楽しい。サヴァンの奇異性と映画に映えそうなキャラクター、それを演じるダスティンホフマンの演技が記憶に残る。

荒野の女たち(1965年製作の映画)

3.5

オープニング以外はセット感のある限定された空間において人間ドラマが繰り広げられる。信仰や友情・努力・勝利の破綻をニヒルに描いている。また、同性愛的な関係性も。
一見女性たちの物語のように受け取られる作
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うなぎ(1997年製作の映画)

3.5

アクの強いキャラクターたちが唐突に集結してくるのがファンタジーっぽい。そこまで周辺人物を掘り下げることはなく、あくまで役所広司演じる主人公プラス自殺未遂の女のふたり中心にほぼ話は進んでいくが、周辺人物>>続きを読む

恋や恋なすな恋(1962年製作の映画)

5.0

創造力、自由さにぶっ飛び。表現ありきというよりは、こさえられた物語に即してその情報の伸び代をあの手この手で引き出している感じ。
実写パートの初めの方、現代のオフィスみたいな白っぽい照明が気になっていた
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反逆児(1961年製作の映画)

3.0

シネマスコープのスクリーンサイズを活かした被写体の配置や動き。過剰でわざとらしい、仰々しい演技がおもしろい。自然さとかよりも、華美なエンターテインメントみたいな感じに全振りしている。衣装とか舞台とかは>>続きを読む

香も高きケンタッキー(1925年製作の映画)

4.5

馬をスター俳優みたいに映す。
厩舎で馬を銃で撃つ煙が建物の外にまで出てくるなど視覚的なつながりの持たせ方が映画的な演出で良い。画面に何が写っているとおもしろいのか。写っているものがどう動いて、それがカ
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黄色いリボン(1949年製作の映画)

3.0

馬の群れの動きや疾走など、カラーよりもモノクロの方が美しく感じる不思議。形がいいのか、より疾走感が出るのか。
カラーの撮り方とモノクロの撮り方は別物なのかもしれない。白黒には白黒に適した撮り方があり、
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