木曳野皐

宮本から君への木曳野皐のレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2019年製作の映画)
-
“男ですもの 女なんだよ”

そうなんだよ、こっちは女なんだよ。
だからぜってーあんな事されても嬉しくねぇんだ、ぜってーお前なんかとはくっつかねぇしぜってーもっと察しが良くて優しい男と結婚してやるんだ。
ぜってーお前みたいななよなよした男なんて好きにならないんだよ!
の気持ちとは真逆の気持ちなリバーシブルー。
言ってる事とは少し違う本音を全くもって考えてくれない宮本…
そのトゲトゲしさがいいじゃねえか、周りに若気の至りなんて言わせんな宮本!

正面から見るとクソだせぇ面してんのに、背中がカッコイイ。
全力投球してその球が顔面に返ってきちゃう感じ、殴り合っては笑い、貶しあっては向かい合って。
宮本と靖子、なかなかいいコンビじゃねえか。
「お前も宮本だろ」みたいな在り来りな台詞が無くて良かった。
ここぞという時にビンビン鳴り響くBGMの疾走感が堪らない。

ナイフより包丁が似合う映画。
よく切れる包丁とかじゃなくて、ちょっと切れ味の悪い生活感のある包丁、きっとどこの台所にもある。そんな感じの。

私はね宮本、お前みたいな男大好きなんだよ。
私は宮本から何を貰っただろう、“受け取る”じゃなくて“貰う”、いやなんか“押し付けられた”感じだな。
逆にどうやったら受け取らずに済むの?あんなん魅せられてさ。教えてよ宮本。



そういえばこの映画観てる時「宮本浩次の声似合いそう…」って思ってたらドンピシャだった、センスよすぎ。
バックの音もなんかドラムガンガンなっててロック最前線じゃんって思ったらプロデュースBy横山健 てw
何それ、かっこよすぎて笑っちゃうわ。

とにかく俳優陣の熱量が凄い。
池松壮亮と蒼井優ヤベーマジで。
こんな演技されたらドラマ俳優マジで俳優名乗れないッス。
あと唐突に出てくる井浦新やめて、心臓もたない、やっぱ何回観ても黒髪の井浦新は神に愛されすぎ。
木曳野皐

木曳野皐