今作は恋愛映画ではない。
何をやってもダメな宮本が、ただただ無様なまでに不器用に生きている。
全ては自分のために。
綺麗事なんてひとつもない。
その熱さとダメなところがとてつもなく人臭い。
同情や共感なんて求めてない。これが宮本だから。
今作を観ようか迷っている人で、ドラマ版を未見な人はドラマを見てから行くのをお勧めします。(ってみんなそうしてるか…)
宮本という人をあらかじめ分かっていた方が、彼に降りかかる災難やそこに立ち向かう宮本らしさに心を動かされるのではないかと思います。
個人的には、その災難があまりにショッキングで、直視したくなかったし夢に出てきそうで、若干のトラウマになりました。
ネタバレになるので書きませんが、ここまでしなくても宮本らしさは描けたんじゃないかと思ったし、ドラマ版で素晴らしかった仕事の要素を見たかったと感じてしまいました。
ただ、全体の構成、池松壮亮、蒼井優の演技は文句なしに良かったです！
ピエール瀧の件でお蔵入りになりかけた今作。劇場公開出来なかったらどんなに無念だったろうかと思うほど力の入った一作でした。
