主演2人の実在感、これは何なんだ、というのが鑑賞後まず一番の感想でした。
実は宮本も靖子も会社にいる時とかは割りと普通の社会人なのに、底に人並みならぬ激情を隠している感じ。
こんな奴らいないでしょと思いつつ、いや、いるんだろう、都会の片隅に本当にこの2人が確かに生きている、そんな実在感が「作り物」とは思えない説得力で迫ってきます。
スクリーンの枠を超えて迫ってきます。
池松壮亮と蒼井優、素晴らしいです。
エンドロールも音楽、スチール共に素晴らしくずっと観ていたいと感じた稀有な例となりました。
ストーリー的には前半はちょっとテンポが悪かったかなと感じました。
あと、賛否あるかも知れませんが個人的にはピエール瀧さんの存在感も印象に残りました。
あの不穏さ、得体の知れない奥深さ、やっぱり貴重な存在だと思いました。彼のしてしまったことを考えると複雑な気がしますが、少なくともこの作品の価値を高めるうえで彼の存在は欠かせなかったものに思えます。