一人旅

シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢の一人旅のレビュー・感想・評価

5.0
ジル・ルルーシュ監督作。

シンクロに挑む中年男達の奮闘を描いたコメディ。

俳優として活動しているジル・ルルーシュが監督を務めた、フランス版アカデミー賞であるセザール賞で最多10部門ノミネートされたフランス映画で、スウェーデンに実在する男子シンクロナイズドスイミングチームの実話をモデルにした物語が描かれます。

それぞれに深い事情を抱えた訳あり中年男性8人が、ノルウェーで開催されるシンクロ世界選手権で優勝すべく、“アメとムチ”な二人の女性コーチによる指導のもと一丸となって猛練習を重ねていく様子を描いた“スポ根+人生再生コメディ”の良作です。

中年男性版『ウォーターボーイズ』といった趣きの作品で、決して泳ぎが得意な訳ではない中年男達(ぽっちゃり体型の多いこと…)の人生再起を賭けた無謀なチャレンジの顛末を活写しています。鬱病に苦しむ人や妻子に逃げられた人、経営する会社が倒産寸前の人、音楽で成功する夢を捨て切れない人、過去の栄光が忘れられずアルコール依存に苦しむ人など、人生どん底状態にある訳あり中年男&女性コーチそれぞれのエピソードを上手に織り交ぜていきながら、やがて挑む世界選手権本番でそれまでの努力が結実していく様子をコメディタッチに描いています。

とびきりのカタルシスと爽やかな感動、そして人生において何かに挑戦して達成することの素晴らしさを明るく謳い上げた、人生賛歌型スポ根コメディの良作であります。
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