元々フランス映画は苦手で、観たいなーと思ってもいつも少し怖々観るのだけど、今年観たフランス映画はコレといい『パリ、嘘つきな恋』といい、とっても良かった。
同じスウェーデンの実話を元にしたイギリス版映画も今秋の日本公開を控えていることを踏まえ、2作とも観る予定での観賞。
オープニングの○と□のシークエンスからフランス的エスプリの香りに、おっ？と惹き付けられる。
一転、本編は意外なくらいストレート。
主人公が各々事情を抱えた中年男性達で種目が男子シンクロっていう捻りがあるとは言え、フランスの映画人もこんな直球なスポ根ヒューマンドラマを作るんだ？！と言う新しい発見があった。
おじさん達が、大袈裟に友情を深める訳でも結束を固める訳でもないながら練習後にお互いの身の上話なんかしつつ、自分自身や周囲の愛すべき人達と向き合い人生を取り戻して行くというシンプルな筋立てを、俳優陣の演技と上質な脚本・演出で魅せてくれてめちゃめちゃ満足度の高い映画だった。
勝手に国家代表を名乗って出場登録しちゃう大胆さも最高。
国内の協会もないんだから全然ありか。
同性として、コーチ陣のパートナーシップにも拍手。
それにしてもフランス人のズケズケ物を言うのにはいつも驚かされる。
病気だろうとハンディキャップだろうととにかく容赦ないもんね。
悪意無しに。
フランス人も男同士 拳で語り合う時はとりあえず表に出るのね(笑)
『Physical』に乗せた自主練シーンが特に好き。
あと途中参加の介護士くんがイケメン。
映画館のスタンディに"セザール賞助演男優賞受賞"と書いてあった気がするけれど、そもそも誰が助演男優ですか？？
それくらい、みんな輝いてた。
《シアター９》
