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英雄は嘘がお好きの一人旅のレビュー・感想・評価

英雄は嘘がお好き(2018年製作の映画)
4.0
ローラン・ティラール監督作。

ジャン・デュジャルダンとメラニー・ロランが競演を果たした恋愛喜劇で、嘘っぱちが巻き起こす騒動とロマンスをユーモラスに描いています。

19世紀初頭、ナポレオン戦争時代のフランス・ブルゴーニュを舞台にした作品で、戦場に行ったまま手紙も寄こさない婚約者のヌヴィル大尉を健気に待ち続ける妹:ポリーヌを不憫に思った名家の令嬢:エリザベットが、婚約者を装って妹宛ての手紙を書き続け、最後は戦場で栄誉の死を遂げたことにしたが、それから3年後、エリザベットが街中を歩いていると今や浮浪者となったヌヴィル大尉とばったり再会してしまい―というフレンチコメディで、嘘の身の上話で塗り固められたヌヴィル大尉とそれを唯一知るエリザベット、既に別の男性と結婚しているポリーヌの3人を中心に巻き起こる嘘っぱち騒動と意外なロマンスのゆくえを描いたロマコメとなっています。

ロケ地となった実在のお城の絢爛豪華な外観&装飾や役者達の衣装等の19世紀初頭を再現した映像美を背景に、嘘が嘘を呼ぶ取り返しのつかない大騒動への発展と凸凹恋愛をユーモラスに綴った“嘘まみれ恋愛喜劇”ですが、敵前逃亡したヌヴィル大尉の言葉には戦争の悲惨が生々しく表現されていますし、軽蔑していた大尉に図らずも惹かれてゆくヒロインに扮したメラニー・ロランの清廉な存在感も好印象であります。
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