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戦場でワルツをのacariiのレビュー・感想・評価

戦場でワルツを(2008年製作の映画)
3.8
1982年イスラエル軍によるレバノン侵攻で起こったパルスチナ難民の大虐殺を、当時親イスラエル軍民兵であった監督が描いた、ドキュメンタリータッチなアニメ映画。
監督自身の記憶にこびりついて離れないあるシーンを解明すべく、当時の兵士にインタビューしていき、自分が見たものはなんだったのか、なぜうまく思い出せないのかを探っていくストーリー。
見てはいけないもの、忘れたい記憶それらに人間はどう対処していくのか、それがもし伝えなければならないものだった時にどう表現するのか…この監督はアニメ化という手法を取った。困難な作業であったようだが、コントラスト強めの独特の作品に仕上がっている。(ラストに実写も入っている)
また「エノラ・ゲイの悲劇」など作品中に流れていたたくさんの戦争(反戦)ソングも印象に残った。
現在もガザ侵攻が起こっている為、なぜ悲劇が繰り返されているのかと悲しくなったけど、表現する意味を強く感じた作品で、勇気をもらった。
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