Yuya

おいしい家族のYuyaのレビュー・感想・評価

おいしい家族(2019年製作の映画)
3.5
「お父さんを僕にください」なんて
若い娘がオッサンに言われる展開…
世界に数多の映画があると言えども
おそらくは ココだけの奇跡だろうな

家族ってのもまた 奇跡であり軌跡かな
相思の友情や恋心のみの形成とは違う
異なる習慣 境遇 価値観の中で
お互い ゆっくり向かい合って思い合う
責任感も必要で ちょっと面倒くさくて
でも すっごい素敵な共同体の成型で
だって 前世代のそれが無かったら
いまの自分も存在してないワケだしさ

ガキの頃は よくわかんないまま
いちいち 大人とは何かって考えずに
大人のマネだけを 追いかけてたけど
家庭を持ち 子供とか親とか考えだして
自分がしてもらったコト 親が果たしたコト
色々悩んでみると 自分が見てきた大人って
やっぱ 家族を造り 熟すって重大な責務と
闘ってたんだなぁって しみじみ思っちゃったりする

そんな いっぱいいっぱいの心に
ふと 優しい風が吹き抜けてゆくように
自分が自分らしいまま ありのまま
そして 拒絶せず 他者を受け入れてゆく
複雑でシンプルな この家族の生き方が
やさしく体温を上げてくれた気がする

なんでだろ…滅茶苦茶にカラフルでいて
ひとつ 家族っていう同調の色合いにも見えて
板尾の白無垢も 浜ケンのマウンテンデューも
外人嫁も 高校生カップルも 島民も ぜんぶが
マイノリティーの集合体と 合点がいくんだな
たぶん フツーとか理想とか 「っぽい」事を
求め過ぎた 都会の二人が別れを選んだのも
うん ひとつの道筋だったように思える
Yuya

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