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おいしい家族のmaiのレビュー・感想・評価

おいしい家族(2019年製作の映画)
4.4
良い映画に出会ってしまったよ!!!
と誰かに報告したくなるくらい、本当に良い意味で軽くって爽やかで温まる映画でした。

母の三回忌に久しぶりに故郷へ帰ると、父は「母さんになりたいんだ」と真剣に語り、子連れの再婚相手までいて、しかもみんながそれを「いいんじゃない」と受け入れてる…。
この時点で主人公と一緒に「…え?」と言いたくなってくるのですが、その狙った違和感が押し付けがましくなくって、軽くって凄く好きでした。
登場人物たちは真剣に「自分の思う愛」を全うしてるだけなんですけど、そこに「……いやいや!日常生活ではそんなことないでしょ!」という違和感がスルッと入ってくるのが何とも居心地いいんです。そこにまず暖かさを感じました。
そして、みんなが愛を語るけれど、それが説教じみてなくって押し付けがましくない。そういう考えもあるよね、とスッと受け入れてしまえる。
さらに、登場人物に悪役が誰もいないのがさらにいいし、みんな人間味があって憎めない素敵すぎるキャラクターで…冒頭のクラクションでスタンドバイミーしちゃうところから魅力に鷲掴みにされました。笑

父親が亡くなった母親になりたい、だなんて一大事なんですけど「それがどうしたよ、いいじゃんか」と思えてくるから不思議ですよね。

もうとにもかくにもストーリーもキャラクターも最高に魅力的で、ロケーションも音楽も、演出もユーモアも最高!なので、いろんな人に見て欲しいです!

最近「わたしの中のベスト邦画(今年)」が塗り替えられた!って思ってたのですが、この作品は今まで見た邦画の中でもベストです。笑
好きすぎる、もう何回でも見たいです。

笠松将さんが好きで「観ようかな」と思い立った作品でしたが、モトーラちゃんも松本穂香さんも三河さんも…出てくる方、みんな好きになりました。

良い意味で、リアルを描かなくたって人の心は動かせるんだって思えました。
別居の背景や母さんになりたい動機…そんな詳細を語らなくたって、ラストの「生きてたらそれでいいんだ」って言葉だけでいくらでも感動できちゃうなと感じました。
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