キミシマユウキ

ボーダー 二つの世界のキミシマユウキのレビュー・感想・評価

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)
3.9
人の心の匂いを嗅ぎ分けることが出来るが見た目は醜い女性ティーナは自分とどこか似ている気がする旅行者の男性ボーレと出会い何かが変わっていく…。

アカデミー外国語映画賞出品のスウェーデン産ファンタジー映画。

我々が想像するファンタジーの世界観のお手本のような北欧の国がリアルなおとぎ話を大人向けに作った結果こうなったというお話。

ボーダー…境界。
この映画に限らず、
2つのものを分ける境界というのは意外と主観的に決まってしまうものである。
人間にとっての美的感覚や価値観なんてものは非常に狭い視界での話でしかない。
この映画を見て
「気持ち悪い」
と思ってしまう人もいるだろう。
それに関しては否定できない。
食虫のシーンやあえてグロテスクな表現で描かれる性描写など攻めている映像も多い。
しかし、今作をみて美しいお話だったと頬に涙を伝わせてしまうような人間を私は大事にしていきたい。
そんな意味でも価値観を揺さぶられる1作かもしれない。

そっと心にしまっておきたい1作だ。