さすらいの旅人

薄暮のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

薄暮(2019年製作の映画)
2.9
緑の光線は幸運の印だ。 Amazon Prime 配信視聴。

東日本震災復興プロジェクトによる青春ラブロマンスアニメ。
この映画は風景描写が素晴らしい。題名通り、田舎の夕暮れ時の風景は美しく描かれていた。
山、川、田んぼ、畑などのすべての風景と、赤く複雑に染まる空の融合はアニメならでは表現で素晴らしかった。

残念な点は、震災により傷ついた心を持つ主人公と相手男子高校生という設定は良いが、正直あまりそれが感じられなかった。もう少し、傷を深く描いた方が共感を得られたと思う。また、福島県いわき市を舞台にしているが、町の状況も普通の街として描かれている。
何のための復興プロジェクトか疑問を持った。

また、キャラクターの設定も従来の他のアニメを想像させる。
例えば、音楽部の主人公はバイオリンを弾く女子高生である。部活の様子などを見ると何故か京都アニメーションの「響け! ユーフォニアム」を思い出す。それから、夕暮れが深まる時である「薄暮」が大好きと主人公は言うが、これは「君の名は」の運命の出会いである「たそがれ時」を思い出す。予定通りにここで避難民である男子高校生と運命的に出会う。これはあくまで個人の感想なのでご容赦ください(笑)

辛口レビューになったが、キャラクターたちは映画の中で生き生きしていた。ひらひら舞うスカートなど繊細な動画も多く、アニメスタッフの手を抜かない熱意は感じた。