ほのか

劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel Ⅲ.spring songのほのかのレビュー・感想・評価

4.7
観て、泣いて、思い出しながら、また泣いてる。

ことしいちばん楽しみにしてた映画。
今年どころかUBWが終わった時からこのときに想いを馳せてた。まだまだ先だなぁっておもってたのにあっっっというまだった、この約3年は。この5ヶ月はほんまに長かった。3月末から延期に延期を重ねて5ヶ月越し。ほんとうに長かったよ…。ようやくという気持ちと同時にED後に次回予告がないFateは、私が追いかけ始めてから初めてで、これぞ虚無、だった。ほんとうにほんとうにおわってしまった…。おわってしまったよ…。
springsongを観終わって、外出て桜が咲いてたら大袈裟でなく泣き崩れてたろうから夏でよかった、ってことにしよう。春に観たかった。


へブンズフィール、結局ゲームせずに劇場版で履修してしまったなあ。それがこの作品に向き合う最善だったかどうかなんてもはやこの際一切どうでもいい。どっちから足を踏み入れても心をめちゃくちゃに掻き毟られたんだから。HFをufoのアニメで観られてほんとうによかった。またFateの世界の解像度がぐぐぐっと上がった。わたしはやっぱりFate/staynightの世界がすきだ。












⚠️ネタバレしかない。なんやったらⅠ章とⅡ章とUBWのネタバレもしてる。

ただ映画だけでHFの全てを理解するのは、なかなかに厳しいもんがある。まあ〜〜〜〜〜難解よ。字幕がほしい。言葉を理解する時に、映画館で観よるときは聞き取ること、もしくは字幕映画の時は読み取ることに10割力を注げてたのが、Netflixで映像みるときの常に字幕ONに慣れ切ってしまってて、いつのまにやらどっちもないと溢す子になってた…脳がどんどん衰えている…

わたしの理解力のなさもやけど、テレビアニメ2クール分だと12時間の時間猶予があるけど、映画3部作だと6時間にぎゅっとなってしまうのも難しさに手を貸してたよね、そうだよね?!
解説をいろいろ読み漁りまして、ようやく理解の端に手がかかった感じ…。まだまだあれは一体何やったんかねって思うところもあるけどね。



Ⅱ章の自分の備忘録読んで、全然なにも理解してない!って笑ってしまった。凛ちゃんへの解釈だけは一致する。
「桜ちゃん相手やから士郎の"守る"という言葉に違和感を感じなかった」って書いてたけど、全然嘘ですね。士郎はこれまでの√でセイバーに、凛ちゃんに、アーチャーになにを言われようと"正義の濃い方を選ぶ、全てを守る"だったけれど、桜ちゃんと恋をした先で桜ちゃんと彼女以外を並べたときに、とうとう正義に背を向けた。桜ちゃん以外を切り捨てる決意をし、"桜ちゃんを選ぶ、桜ちゃんを守る"になり、ようやく士郎の"守る"という言葉に矛盾がなくなったから違和感を感じなくなった、って話でした。ほんっと今さら私がいうまでもないHFの軸を理解してなかったなあ。
"正義が濃い方を選ぶ"は同時に、自分が選んだ正義以外(つまり、誰かにとってはそれもまた正義であり、守り助け/達成するに値するもの)を切り捨てると同義。選べば守れたものを捨てながらでなければ1番守りたいものを守れない=結局は"守れるものだけを守る"にしかならないことを何度も経験しながらも、それでもなお"全てを守る"と頑なに言い張る。自分を犠牲にしながらその苦しみをを何度も何度も何度も何度も何度も何度も繰り返す。救いたいと手を伸ばしながらも救えない対象がまた出てくるのに、見て見ぬ振りを許さず、触らずを選ばない。そういう士郎に気持ち悪い矛盾を感じてたんよな。主人公補正もいい加減にしろ!って憤ってた。UBWでこのめちゃくちゃに破綻している理想を突き詰める決意を受け止められて、HFで"正義の味方"を捨てる選択ができた彼を目の当たりにして、Fate/staynightの軸のひとつは、士郎の理想から広がり、目に見えないほど深くまで張る幾多にも分かれた根をひとつひとつ見つめて否定して否定されたことを否定ごと受け入れて否定されたことによって答えを導き出し突き詰めて言語化したものなんかな、って思った。なんかなんかいみてもそうだったのか…!って新しいものを見た気になるから、たぶん次みたらまた違う考えが出てくるけど。




というか、アーチャー(泣)(泣)(泣)
むりでは??????????????
これは…むりでは…??????????
UBWでは最後のネタバレを思わぬところで踏んでしまったのでなにひとつ絶対にネタバレを踏まずにいくぞ!って思ってたけど「アーチャーは片腕だけになってもかっこいい」って言葉だけ見てしまって、(まあ観終わった今となってはこれはネタバレでも何でもないんやけど、)ウワアア踏んでもた!っておもったん、でもまじでその通り過ぎて観てる最中本当にその言葉しか浮かばなかった。かっこよすぎてどうにかなりそうだった。
私、アーチャー単体はめちゃくちゃすき!ってわけでもないんですよ。もちろんこんなにもかっこいいひといるか!?って思うし、何回泣かされたかわからないほど彼に泣いてきたし、凛ちゃんのサーヴァントですし、彼の過去も未来も考えるだけで頭がおかしくなりそうになるほど苦しくなるし、過去を忌むその過程も理由も結果もひっくるめて"彼"だってちゃんと理解してるけど、あんんんまりにもひねくれすぎてる!!UBWの最後がアレがアレでアレだとわかってても一瞬でも凛ちゃんを裏切ったのは本当に許せない…し、わかりやすい子がすきなの…槍くんとかな…(槍くん結局ほんまに脱落してたね………最後の最後まで希望は持ってましたけど、ああかなしい…)
それでも、それでも、アーチャーの片鱗を端々から感じる展開で、やっぱり士郎と英雄エミヤのお話はすきだからUBWがすきなんだよ〜〜!!!って思いました…。

「ついて来れるか?」
「ついて来れるか、じゃねえ てめえの方こそ、ついてきやがれ!」

たいへんじゃなかったですか、涙腺。わたしは、たいへんでした………。Ⅲ章で唯一映る彼の表情に、あたままっしろなっちゃったよ。小難しいことをペラペラ話すFateの世界ですけど、泣いちゃうのはこういった言葉そのままズドンと突き刺さってくる言葉ですね…。は〜〜〜〜〜〜〜、もう、もうなにもいうまい……。飾りのないまっすぐな言葉に余計な言葉をのっけるべきではない…。
VSバーサーカーもだけど、ローアイアスに悲鳴をあげそうになる程泣いた……。泣いて泣いて泣き喚きそうで大変でした。




凛ちゃんの話も綺礼の話もイリヤの話もライダーの話もしたいのに、士郎とアーチャーの話してもう力尽きそうなんですが…、って思いながらUBW観てる。これ終わったらzero観るんだから!今こそ映画館でUBW一気上映するべきときでは?!?!

凛ちゃんのお話かぁ。遠坂凛のすきなところについてはⅡ章のわたしの備忘録を、ご覧ください(丸投げ)
3月に植田佳奈さまのインタビュー読んだのを思い出しながら噛みしめながら観てた。とてもその通りだったなあって思った。姉としての遠坂凛だった。大聖杯とか真贋とか宝石剣とかアンリマユとこ全然理解し切れてないけど、桜ちゃんが凛ちゃんを妬み嫉みああなってしまうまでこじらせてしまったことも、凛ちゃんが桜ちゃんに対して感情的にならないように意識し続け彼女は彼女で残されたものとして努力をし続けたことも、ここまでこのふたりの姉妹同士の感情をあからさまに表されることがはじめてだったので圧倒された。桜ちゃんがはじめて理性をかなぐり捨て、凛ちゃんがそれを往なすようにしながら追い詰める姉妹喧嘩。UBWの凛ちゃんがすきで、かの√での彼女を観てFateをすきになったんやけど、魔術師として魔術戦で強い凛ちゃんは初めてだったから興奮が止まらなかった〜!!!凛ちゃんがゼルリッチを使いこなすシーン、ローアイアスの直後だったので、ヒィ…って声漏れちゃったの仕方がないとおもうの、でも、あの、すみません、気持ち悪いオタクは腐っても気持ち悪いオタク…
凛ちゃんはバランスをとるのが本当にうまいなぁ。貸し借りを作るのが嫌いとか、情報を与えられたのならば自分が不利になろうとも同じ分だけの価値の情報を与えるとかの性格のバランスもだけど、誰かが興奮してる時はめちゃくちゃ冷静になっちゃうとか、冷静に対されると興奮しちゃうとかも上手いな…というか可愛すぎるな…と思いました。遠坂凛ちゃんはいつなんどきもかわいい。ずっとかわいい。だいすき。




あとはもうびゃびゃびゃっと…
・ようやくFateの解説を読めるようになって、HF√でサーヴァントたちが早々に脱落していく理由がわかった。悲しくて虚しくてもう考えることすらやめてたけどちゃんと理由あったなあ。やっぱり悲しいけど…。サーヴァントがすきだからな。人は、愚かだよ…。
・セイバーの最後もなぁ…。ううう。ちゃんと彼女のエンドがあったとわかってるけど、"Fate/staynight "というゲームの〆で彼女があの終わり方をしてしまうのは無性に悲しかったよ…。
・桜ちゃんの√だけどイリヤ√の片鱗もある、めっちゃわかるな…。イリヤにもめっちゃ泣きました。イリヤお姉ちゃん…!!!!!
・綺礼のことちょっとすきだと初めておもったわ。詠唱かっこよすぎた。
・staynightのライダー、なんでメドゥーサがライダーのクラスで召喚されたんや??っておもってたんやけどようやく騎乗シーンでたーーー!!!かっこいいねぇ。
・UBWでギルに「武器の貯蔵は十分か?」というのと同じノリで桜ちゃんに「きついのいくから歯食いしばれ」って言うやん…ってちょっとおもった………