コメディかと思えば結構な具合に根の深そうなテーマをさらっと解決しちゃう結局コメディ。笑えるところはあまりないけれど。
「あの子は貴族」のテイストで真面目に撮れば拍手されるようなテーマだと思うけどなあ。。
テーマはとてもいい。
愛されたことがないから愛し方がわからない、もしくは愛が歪んでいる。
愛を後天的に獲得するのは結構難しい。
友達、恋人のサンプルに比べて、親のサンプルは圧倒的に少ないので、やばい親だとしても発見が遅れてしまう。
その遅れが社会的に結構な致命傷になってしまう場合もあるよ、と。
こちらの意志など関係なしにたまたま与えられた親がハズレで、さらにそのハズレ親から受けた社会的負債を回収するためには、ガチャを回し続けて、回し続けて、これまた、たまたまアタリ(今回は人間)を引くしかないという非常に閉塞感のある現代的なテーマでした。
映画の構成上、一応のハッピーエンドで終わらせはしたけれど、あのハッピーは一時的なものでしかなくて、治ったように見えて実は根がとてもとても深いのが本当の問題のような気がします。
運転技術に不安があれば、国の制度である程度の基準が設けられている免許取得のために練習を重ねればいいけれど、子育てには資格も練習もないからね。
君、仮免3回も落ちてるのに臨月なの？
