こばまさ

ロマンスドールのこばまさのレビュー・感想・評価

ロマンスドール(2019年製作の映画)
3.6
久しぶりの邦画タイム。
この作品に至るまで、色んな作品を再生しては止め、再生しては止め…
そんな中、すんなり観れたのがコチラ。
思ってた10倍いい話でした。


-美大の彫刻科を卒業しフリーターをしていた北村哲雄(高橋一生)は、ひょんな事からラブドールを製作する会社で働く事になる。
もちろんラブドールには知識も関心も無かった哲雄だったが、そこで働く造形師・相川(きたろう)の熱意に感化され職人としての情熱が生まれていく。
究極のラブドール製作に行き詰まっていたある日、相川の案で「医療用人工乳房の型取り」という名目の下、型取りのモデルとしてやって来た小沢園子(蒼井優)
哲雄は園子に一目惚れをしてしまい、そのままゴールイン-

“ほんとの愛を見つけるまでの10年間”


題材がマニアックなので、そこまで期待してなかったのに…かなり良かった。
この、タナダユキという監督、ちゃんと観るのは『マイ・ブロークン・マリコ』以来なんだけど、かなり尖ってます!
他の作品も観てみたくなった。


今作は、夫の嘘と妻の秘密がテーマ。
夫・哲雄の嘘とは、本当はラブドール職人という事を隠して生活している事。
では、妻・園子の秘密とは…?

ワタシは、究極の愛の物語だったと素直に受け止めた。
園子は哲雄の仕事を知らないにしろ、ずっと哲雄を支え続けたし、哲雄はその事を後ろめたく思いながらも、園子の為に一生懸命に働いた。


脇役陣も素晴らしい。
まずは“日本3大ひらがなの名優”の1人、きたろう。
この、きたろう演じる相川というキャラクターがめちゃくちゃ面白い!
真面目なのか不真面目なのよく分からないけど、いい先輩。

そして、三浦透子。
ひろ子というOLの役なんだけど、このOL像が凄くリアル。
もう、その辺にいるOLにしか見えない。
哲雄とカラオケを歌うシーンがあるんだけど、めっちゃ歌が上手い!
あ…この人歌手でしたね…すみません。

そして、このラブドール製作会社の社長役のピエール瀧。
ラブドールに対してリアリティを追求し続ける姿勢と、職人に対して理解を示す素晴らしい人物。
しかし、例の薬物事件によりこの作品の公開は延期されたらしい。
ちなみに、この作品の中でも捕まります。
ある意味ノンフィクション。


脇役語りが長くなりましたが、結局は主演2人の演技が素晴らしかった。

高橋一生は、映画ではほぼ観た事ないけどドラマではかなりお世話になってる。
『天国と地獄』『龍の道』『凪のお暇』『カルテット』などなど、めっちゃ観てるし…
彼は、細かい演技がすごく上手いし、セリフとか間の取り方が絶妙。

蒼井優って、昔は可愛いとか全く思った事なかったけど…
今の蒼井優、めっちゃ綺麗じゃんか。
背中、めっちゃ綺麗じゃんか。
こんな奥さんだったら…あ、山ちゃんって本当にすごい事を成し遂げたんだと改めて実感。


あんまり観てる人少ないけど、これはオススメしたい。
こばまさ

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