Ryo

イン・ザ・ハイツのRyoのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
4.7
自分の居場所を確認できて、進む道を決めた時、ベランダは未来まで縦横無尽に続くダンスフロアにもなる。

よく知るニューヨークを裏側から見た景色、ここはアメリカでもカリブでもないその狭間にある隠れ里。濃厚なコミュニティの中で、チャンスを掴んで「アメリカ」に行くか、ルーツに戻るかを誰もが心の中で踠き生きている。
隠された「差別」という言葉はおそらく作中一度しか出てこない。

ほぼノーエフェクトかつ平らで伸びの無いボーカルも、暑く乾いた街の空気と旅立つアブエラを引き立たせる効果だと考えると妙にしっくりくる。
自己肯定感をどこか持てないという描写か。ヴァネッサへの態度に、鑑賞中はモヤモヤした。気後れしたり素直になれない男子の心情としてはとてもリアル。
ミュージカルというよりもラテン系のインド映画っぽいノリがいい。ウスナビの名前の由来もかなり好き。
Ryo

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