NYの片隅の移民たちの街で、仕事や進学、恋にもがきながら、夢に踏み出そうとする4人の若者を描く…というお話。
ミュージカル部分はヒップホップ調の音楽にダンス、そしてストーリー説明が巧くかみ合っていてすばらしい出来だと思う。
ただ驚くほどストーリーが強弱なく、淡々と始まりそして終わっていく。驚く出来事も悲劇もない起承承結。登場人物の心理も歌詞で直接語らせてしまうのも残念。
あらすじの通り移民たちの設定なんだけれど、それを活かしたストーリーになっていなかった。パーティーで給仕と間違えられたというエピソードぐらい…それは笑って済ませるレベルでは?
また、みんな「貧乏だ~移民は苦労している~」と言っているけれど、服装はオシャレで子どももBeatsのヘッドホンをぶら下げていて裕福に見える。もうちょっと何とかならなかったのか。それともNYでは貧乏だけど日本ほど貧乏ではないのか…
主人公たちの悩みもあまり解決されず、なんとなく明るく歌って「がんばれば新しい未来が待っているさ!」みたいな感じ。でもそれでみんな納得しているようなのでそれでいいんだろう…。
全体的に、移民を出して悩みを語らせ、見て楽しいミュージカルにしました。という最近の賞の傾向を見据えた作品に見えてしまった。
楽しい音楽とダンスを見られるけれど、新しさはなかった。