しゃり

イン・ザ・ハイツのしゃりのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
4.8
最高だった〜〜〜〜!!!!!
ラテン×ミュージカル、好きにならないはずなかった。

このジャンルで最高傑作なのでは…
ウエストサイドストーリーが草分け的存在だけど、バーンスタインはラテン系ではないし(もちろん素晴らしいんだけど)

ラップ、ヒップホップ、サルサ、色々なジャンルをおり混ぜながら、ラテンの伝統音楽への誇りが感じられる。
ダンスのステップにしても細部までこだわりがすごい。特にAlza la bandera でドミニカ🇩🇴→プエルトリコ🇵🇷→メキシコ🇲🇽→キューバ🇨🇺と踊るシーン、国ごとにステップが違うのに感動。
団結していながらそれぞれ祖国に対する誇りとアイデンティティを持って生きている。様々な立場からの悲哀や不条理を、美しいbanderaに込めて、前を向いている。
賑やかなシーンのはずなのに、涙が出てきた。

また、チリ系プエルトリコ人とドミニカ系キューバ人の親を持つ子が出てきたり、移民一世と移民二世、さらに言えば物心つく前に移民になったソニーと祖国の記憶があるウスナビでは拠り所が違ったり…
一括りに「ラテン系移民」といっても個々のアイデンティティはグラデーション的に異なる、というのをよく表現していて、多様性の描き方として解像度が高く秀逸だった。

小さなことで威厳は保てる
Paciencia y fe!
しゃり

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