けーはち

劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明のけーはちのレビュー・感想・評価

3.9
可愛い絵柄で児童嗜虐。つくしあきひと原作によるダーク・ファンタジー。物語としては総集編後編 https://filmarks.com/movies/79009/reviews/152231527 からの直接の続編。前作のPG12から映倫区分が1段階上がったのが本作を如実に物語る。「プルシュカがこぼれちゃう!」とは本作屈指の名言である。本作のヴィランである“黎明卿”ボンドルドは日本アニメ界でも指折りの狂科学者で、他人を深く愛しながらも生きたままバラバラにして道具として使い捨てる技術を編み出し自分自身さえコピーを繰り返した結果、人の域を逸脱した異形の怪人で、そのキャラクター性には一見の価値がある。彼の愛娘プルシュカの愛らしさ、その末路と、彼を退けアビスの深淵に挑む少年少女の冒険が本作の要となる。嗜虐性に目を瞑れば、生き物が美しく広大な世界から得られる「呪い」と「祝福」に全力で向き合う王道冒険譚であり不思議で可愛く奇妙な生物達のワンダーに満ち、そして快活な少年少女のバトルアクションファンタジーもの。まあR15+なんだが。