帰郷した夫婦探偵が、夫殺害の容疑を掛けられた従姉妹を救おうとする。夫婦探偵(とペットの犬)をフィーチャーしている、喜劇調のミステリー映画第2弾。ダシール・ハメット原作。
大晦日、私邸に着いた夫婦が、上流階級のワチャワチャした日常に巻き込まれ、妻の親類筋のスッタモンダに介入せざるを得なくなる。現状を憂えている従姉妹以外の人間が、頼りのないヨボヨボの老人ばかり、というモチーフが笑える。
事件には、レストランのオーナーが狡辛い敵役となり、ショーの美人歌手とその兄、そして従姉妹の元カレ(若手時代のジェームズ・ステュアート)が関連してくる。前作同様、どこかで嵌りそうなパズルのピースが続々と出てくるので、むず痒くなってくる。
ピースから即座に答えを導き出すパターンではなく、対面した関係者同士がボロを出すまで、主人公すら答えが見えていないところが面白い。邦題がタイトル詐欺同然であり、特急列車が舞台ではないのだが、ミステリーの古典を純粋に楽しむことができる。