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沈没家族 劇場版のuliのレビュー・感想・評価

沈没家族 劇場版(2018年製作の映画)
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思想的にはめちゃ良き。子育ては開かれてたほうが絶対にいいし、人を巻き込んでいく力のある穂子さんはすごく良い。
でも、映画を観る前はシングルマザーが何世帯か集まって、子どももわちゃわちゃいるイメージだったので、男ばっかりの部屋に土くんがいるのにちょっとびっくりした。山くんはなかなかのモラハラ感のある人だなぁと批判的に見つつも、自分も、山くんと同じように、別れた男が女に囲まれて自分の子を育てたり、しかも自分がお客さんみたいな扱いとかされたら、相当嫌だろうなと同情。
「社会実験」と声高に言うなら、よかったこと、しんどかったこと、なんで移住を決めたのかとか話してほしかったなぁと思いつつ、この映画自体は、家族体験が世間とかけ離れてて、親にたまたま生まれたと言われた土くんが、その「たまたま」に意味を持たせるために撮ったようにも見えるので、これでいいのかなぁ。
映画見てて、「家族」よりも「育てる」の方がなんだろうなぁと痛烈に思う。
自分も子どもを産んだけど、育てるっていうより、一緒に暮らすっていう動詞の方が近い感覚だった。育てるっていうとき、人はなにをしてるつもりでいるのかな。不思議だ。
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