紅梅シュプレヒコール

ゴーストバスターズ/アフターライフの紅梅シュプレヒコールのレビュー・感想・評価

3.8
カルト的人気を誇る名作「ゴーストバスターズ」をオリジナル版の監督アイヴァン・ライトマンの息子ジェイソン・ライトマンが引き継ぎ、新たに描き出す“その後”の物語

熱狂的なファンが多く、作品は観たことがなくともポスターは知っているという人も多いのではないだろうか

最近では女性版ゴーストバスターズが公開されたのが記憶に新しく、そこそこ好評を得ていたので女性版の方を広げていくつもりかと思っていたが、今作はオリジナル版の物語を引き継いだ正統続編である

今作はゴーストバスターズ創設者イゴン・スペングラーの孫フィーヴィーを主人公にし、世界に破滅をもたらすゴーストとの対決と同時に祖父の過去を解き明かしていくことで、家族の再生を描いた作品となっている

10代の少年少女を主人公にすることでジュブナイル要素を多分に含んだ一作として装いを新たにしており、オリジナル版とはまた違った味わいがあって良い

映像技術も進歩しているので、光線やゴースト等の視覚効果のビジュアルは綺麗になっているし、年月を経て老朽化したガジェット群等の美術も素晴らしかった

ただ不満点も幾つかあり、鑑賞前の期待値を超えることはなかった

私が今作を観ていて感じたのは「真面目な作品だな」という印象だ

今作はオリジナル版に比べてコメディ性よりもドラマ性を重視しているような脚本なので、ポップな「ゴーストバスターズ」を期待していた身としては観たかったものとは違った感を強く抱いてしまった

このドラマ性重視に振った脚本はオリジナル版への敬意を持ちつつも、同じ様な作品にはしないといった決意によるものだと理解していたのだが、1作目を踏襲したゴーストの登場や後半の展開などシリーズのファンへのサービスが多く、結局オリジナル版に寄り掛かってしまっており、全体的に中途半端な作品になっているよう思えた(私は復習しないで観ましたが、1作目は観直しとくと良いかも)

それでも主人公フィーヴィーを演じたマッケンナ・グレイスは可愛らしかったし、兄のトレヴァーを演じたフィン・ウルフハードも「ストレンジャー・シングス」ファンとしては嬉しいキャスティングだったので、2人の演技を観れただけでも観た意味はあった