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ふたりの女のadeamのレビュー・感想・評価

ふたりの女(1960年製作の映画)
2.5
ソフィア・ローレンにオスカーをもたらした名匠デ・シーカの戦争ドラマ。
第二次大戦下でローマから田舎の村に疎開してきた母と娘が過酷な運命をたくましく生き抜いていく姿を描く物語です。
男たちの好奇の目にさらされながらも、時にはその色気を自ら利用し、胸元に隠した札束と気の強さで娘を守る母親はソフィア・ローレンのハマり役で、メガネ姿でナイーブな青年を演じたベルモンドも好演でした。
しかしストーリーは中盤かなり間延びしていますし、善き米英に悪しきナチスドイツ、野蛮なアフリカとややステレオタイプに感じる描写が多い気がしました。
終盤に畳みかけるように訪れる悲劇には、戦争がいかに人の大切なものを奪うのか強烈なメッセージが感じられはしたものの、ネオレアリズモと呼ばれた時代の作品でデ・シーカが描いた救いの無さに比べると、インパクトに欠けた想定内の結末に感じました。
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