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閉鎖病棟ーそれぞれの朝ーのmaiのレビュー・感想・評価

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)
3.8
予告編とポスターから想像していた雰囲気とはだいぶ違いましたが、優しさが染みるような作品でした。

メッセージ性ががっつりある映画なのかなーと思ってましたが、どちらかと言えば淡々と展開されてくストーリーに乗っかって、鶴瓶さん演じる梶木さんの優しさがすごく染み渡ってきます。
綾野剛演じる塚本も、小松菜奈演じるユキも…それ以外の脇を固める役者の方々みんなに何かしら不安定な部分があるけれど、どの人もその人なりの一生懸命を生きてるんですね。この言い方しちゃうと、なんだか上から目線になってしまうのですが…その一生懸命さと、向かい合ってる相手への優しさがもう本当にしんどくって。
地獄のような描写もあるし、決してみんなに「おめでとう、頑張れ」と言えるようなハッピーエンドではないけれど、あんな風に「自分の生きる目的」のようなものを見つけられれば人は幾らでも強くなれるのだなと思いました。
そこに寄り添ってくれる人がいるならば尚更。
重い展開と、人の温かさが染みる優しい展開と…それらが交互に合わさることで、静かに感情を揺り動かされる作品になってました。そして、出てくる方々みなさん演技が上手い…!

これ、原作も読んでみたいなぁと思いました。
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