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処刑島のYSKのレビュー・感想・評価

処刑島(2015年製作の映画)
1.0
『サベージ・キラー』!『サベージ・キラー』じゃないか!こんな変わり果てた姿になってしまってどうしたんだ何があったんだあああああああ!

はい
いちおうテレビ収録と偽って10人くらいの男女を無人島に集め、一晩鬼ごっこをして逃げきれたら賞金1000万円を山分けというストーリーと、各グループそれぞれ撮影を続けるルールはありましたが、まあなんというか、下手
いや違いますね、こればかりはどうにも形容ができない

今までいろいろな駄作に対して「虚無」だとか「何も感じない」だとか言ってきましたが、それら全てを撤回します、映像作品を作ることを生業としている方々が技術と経験をもって制作された「作品」に対してそのような評価をするなどと失礼千万、世が世なら切って捨てられてもおかしくない言い様でありましたし、軽々しく使う言葉ではありませんでした

そう、「これ」以外には

セリフという概念を悉く覆す言葉たちは言い表された詞華の霊妙を讃した言霊という力をただの葉っぱに落ちぶれさせ、演技という概念を遍くぶち壊す一挙手一投足は古代ギリシアあるいはローマで行われた宗教的祭祀から脈々と受け継がれてきた伝統を冒涜したという他ありません

このようなものを作品と呼ぶのも憚られますので便宜的にoをつけて粗悪品と呼ぶことにいたしますが、この粗悪品のいいところをあげるとすると、創作活動をしている全ての人に勇気を与えることができる、時間の大切さを知ることができる、つまらないものを作るのにも才能があるということがわかる、の3点でしょうか
最後のものについては人智を超えたとすら思います、バベルの塔を打ち砕いた大いなる雷のように、他者の領域を侵し、神の領分に足を踏み入れた、行き過ぎた人々への裁きなのかもしれません
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