ShinMakita

ミッション・トゥ・マーズのShinMakitaのレビュー・感想・評価

ミッション・トゥ・マーズ(2000年製作の映画)
1.3
「制作費で揉めた某監督の代打で登板した作品。私はVFXが嫌いだ。あまりに長い期間根をつめる作業が続いたからだ。ハリウッドのシステムは我々を壊すよ」(byデパルマ)


2020年、テキサス州ディクソン。NASAは火星有人観測計画を発足させ、チームリーダーのジム、その親友のウディ、ルークらがクルーとして訓練を受けていた。しかし、ジムの愛妻マギーが死亡したためジムは計画から外されてしまう。そして、宇宙船<マーズ1>に乗ったルークらが先発隊として火星に向かい、キャンプ設立後<マーズ2>に乗ったウディたちが地球を出発する事になる。

13ヶ月後、ルークら4人の観測隊は、無人カメラが捉えたある山の調査に出かけることになる。山から巨大なエネルギー反応が認められたのだ。火星が人類の新たな居住地となる可能性にときめきながら山の麓で調査を開始するルーク。だが、突然山が生き物のように変形し、3人の仲間を惨殺してしまうのを見て驚愕する。

地球上を周回する宇宙ステーションでは、ジムとウディ、若手飛行士フィル、そしてウディの妻アンたちが、ルークからの連絡が途絶えたことで気をもんでいた。最後のデータ送信では、火星キャンプ近くの山が爆発した様子で、ルークたちの生死が不明になっている。ウディは<マーズ2>の隊長として、ジムもクルーに加えて救出ミッションを計画。直ちに火星に出発する。しかし、火星到着直前、宇宙塵の襲来で船体に穴が空き、着陸が困難になってしまう・・・



「ミッション・トゥ・マーズ」



好意的な評価では<噛み砕いて判りやすくなった2001年宇宙の旅>と言われるSF映画ですが、正直駄作でございます。デ・パルマ作品でも、多分1.2を争う酷い出来。



冒頭のバーベキューパーティの長回しから、いかにもデ・パルマっぽいんですが・・・いかんせんデ・パルマタッチは室内でこそ効果があるので、宇宙でやられてもなあという印象。おなじみのディープフォーカスもあるんですが、特にストーリー上で効果もなく、意味無しでした。

キャラ作りが雑なのも問題で、特にウディという隊長が酷いです。緊張感が全くないし、救出前に無重力ダンスで遊んだり、妻を亡くしたジムの前で嫁といちゃついたり、デリカシーのかけらもない奴なんです。演じるティム・ロビンスも、何かやる気なし感が伝わってきますしね。ジム=ゲイリー・シニーズ、ルーク=ドン・チードルとアカデミー級がムダに顔を揃え、音楽がモリコーネだというのに、世紀の珍作として記憶に残る一本。
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