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貞子のmaiのレビュー・感想・評価

貞子(2019年製作の映画)
2.1
嘘だよね?と言いたくなる決着のつけ方でした…。

評価があまり芳しくなかったので、正直あまり期待せずに観に行きました。それが良かったのか、期待を裏切られた!感は全然ないのですが、取り敢えず、「撮る」ことで呪われるという発想は面白いのに、あちこちにばら撒いたパーツを使わずに結末を用意したかのような…ストーリー性あるのに、それが全く一貫してない。「撮る」というYouTubeの呪い画像はどこへいったんだ…カズマだけでなく、他の人の動画(ナンパ)にも出てきてたのに…。
後半の主人公は支離滅裂な行動だし、弟を引き上げようとするシーンは、本当は辛いシーンなのに何故か怖さも何もなくむしろ滑稽です。
かといって、貞子は怖くない。カサカサと迫ってくる姿はゴキブリのようにスピーディーだし、彼女に「なんとしてでも引きずり込んでやる」的な強い怨念みたいなのを感じないから、ただの「モノ」でしかない。

池田エライザの演技力はあと少し…!という感じでしたが、恐怖する姿は凄かったです。最後が彼女の1番の見せ場かも…というか、舌ったらずな感じ(あまりハキハキ喋らない)が役に似合わないのかもしれません。
わたしの大本命、清水尋也はさすがといった感じです。演技力、ずば抜けて自然でした(もちろん塚本さんや佐藤仁美さんも)。
わたしは清水尋也と池田エライザの共演ということだけで観にいったので、2人が絡んでるのを観れて満足なのですが、貞子映画としてはこれでいいのでしょうか…?
怖さもなければ、ストーリー性もすごく微妙。日本ホラーといえば、呪いとかの、脅かす系ではないじわじわと怖くなってくる感じが肝だと思うのですが、それが今回全くありません。むしろ、脅かす系すら失敗してます…というのも、わ!と脅かしたいがために、わざわざ霊だけのワンカットを挟むんです。例えば、カーテンを開けた次のシーンは貞子の顔のドアップ!みたいに、繋がりが何もない。わたしが小学生の時に流行ったサイトと同じ手法…さっきまでの画像から、いきなり怖い画像が画面一面に!という。それを映画でしたらおしまいでしょと思うのですが…。

製作陣はこの作品を「怖い!面白い!」と思って制作したのかな…そう思うくらいでした。

あと、本編とは関係ないけど、「貞子」のブランド力というかハードルというか…が下がったのに伴って、観客側の質も下がってるのかなぁと思いました。
わたしの斜め前に座る20歳くらいの男性3人組は、目の前の手すりに足を上げてぺちゃくちゃ喋りながら鑑賞(しかも途中で物を床に落としたのか、携帯のライト機能使用。ホラーなのに…)、わたしの斜め後ろに座るカップルもコソコソ喋る(挙句、男性が解説しだす)、そしてわたしの数列前に座ってた男女3人組のうちの1人は常に大きめの声でリアクション。こんなにもマナーの悪い映画は初めてです…ハードル下がってる分、観客側の「映画を観る」ってハードルも下がってしまうんだなぁと凄く残念でした。そのハードルが下がるから、こんなにもマナーが悪いんだなぁと。
静寂のシーンは静かにハラハラするような場面だと思うんですけど、うーん…喋り声が邪魔すぎて。笑
ムビチケが抽選で当たったから、無料鑑賞だったので良いですけど、この観客たちに囲まれた上にお金払ってたら、払い戻し(出来ないのは知ってますが)してほしいレベルでした。
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