金正恩

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場の金正恩のレビュー・感想・評価

4.5
フィンランドの継続戦争を描いた映画。

戦況はアニメーションでサラッと説明されるのみで、メインは戦場と兵士。

冬戦争では戦争に負けはしたものの、戦闘では圧勝し数多くの英雄を生んだ。
それに対して継続戦争は勝てると踏んで仕掛けた戦争にも関わらず実質的に敗戦し同盟国のナチスドイツを裏切って終結した苦い記憶。

そんな歯切れの悪さのあるどんよりとした空気を終始感じる作品だった。
戦争が終わって故郷に帰る日を心待ちにし、生きるために仕方なく戦闘に参加する兵士の描き方が独特だった。
英雄譚や感傷的な人情物になりがちな戦争映画というジャンルの中では異質の存在。
鑑賞後のモヤモヤした気持ちがいつになっても晴れないし、今後もスッキリする事はないだろう。

余談だが地政学の一般論としてロシアの戦略は防衛的拡張と言われる。
隣国を支配して緩衝地帯とする事で戦略的な縦深を作り防衛を有利にする。
無茶苦茶な理屈だが、これで数百年間戦争に負けていないので理にかなっている。
つまり、隣にロシアがある時点で地政学的に詰みだが、その中で独立を保ってる国はすごい。
金正恩

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