経年変化

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場の経年変化のレビュー・感想・評価

4.2
『地獄の最前線(1955)』『若き兵士たち/栄光なき戦場(1985)』に続き、『無名戦士』3度目の映画化。
カレリア地方の奪還宣言から一転、再び領土を侵食してくるソ連軍からの敗走劇は観ているこちらの精神をも侵食。退いても退いても背後に死が忍び寄り、我が命でさえ所有物でなくなる言語化不可能な恐怖が自軍を取り巻く理不尽さと交錯。
常に同じ座標軸から戦場を点描する端正な画面作り、カット1つで故郷と戦場を往来する潔さが好み