daruma38

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場のdaruma38のレビュー・感想・評価

4.0
連合国側の戦争映画のようなハッピーエンドではない。
T34や自動小銃、機関銃、対戦車戦、塹壕戦がリアル。しかし、召集兵の現実を見せられ、悲しい映画であった。

中年の主人公ロッカは、家族との休暇の後も、まるで仕事に戻るように戦場に戻り、そして戦う。
近所で集まり万歳三唱で戦地に送り出していた戦前の日本とは全く違うことにショックを受けた。逆に、この島国の有り難さを痛感した。軍事大国と国境を接しているというのはこういうことか。

撤退しながらも、最善を尽くそうとする兵士と下士官。
しかし、位が偉くなるほど、兵士を捨て駒としか思っておらず、面子しか頭になし。そんな愚かな将軍のもと、兵士達がソ連軍に追われ、傷を負い仲間を残し撤退していくのがむなしい。

フィンランドも日本同様、当初のナチスの快進撃に幻惑され戦争を始めたのだろうか。絶対、この映画はこの戦争の歴史を知って見た方がよい。

ラストの生き霊?となって家族のもとに帰るシーン。昔聞いた、かぐや姫「あの人の手紙」の歌詞とオーバーラップした。
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