たむ

燃えよ剣のたむのレビュー・感想・評価

燃えよ剣(2021年製作の映画)
2.0
高校時代、新選組の小説を読む事で本と歴史の面白さを知ってきた人間としてなかなかしんどい148分です…。
土方歳三役の岡田准一さんを始め、役者さんは揃っていたと思うのですが、映画そのものが何を描きたいのか、さっぱりでした…。

良かれ悪しかれ司馬遼太郎作品には日本で生まれればどこかでぶつかるでしょうし、特に『燃えよ剣』『新選組血風録』をバイブルのようにする方も多いと聞きます。
その中で前半で土片よりも、日本の政治体制を親切丁寧に描き出して、池田屋事件以降を雑に描く、この感じ…。
おそらく幕末をパノラマで描くのであれば、『燃えよ剣』である必要はないです。
色々な司馬作品をミックスするのもありでしょう。
これは原田眞人監督が『日本のいちばん長い日』をリメイクした時、そのオリジナルと比べた時の違和感に近いです。
視点が散漫な感じ。

その割に糸里だったり、ディテールが細かい。
新選組ファンに気を使っているのか、やたらと細かい。
そのバックグラウンドを知らないと意味がないシーンがたくさんあります。
それよりも観たかったのは、土方歳三という男の生き様、そこに焦点が当たらないと文庫本上下巻描くことは不可能に近いです。
物語が行ったり来たり。
沖田を描きすぎて、近藤勇はもはや何がなんだかわからない。
新選組の上級者ファン向けなのかもしれませんが、どうしても『燃えよ剣』らしさが薄い感じがしてしまいましたね。
たむ

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