このレビューはネタバレを含みます
想像以上の行定作品だった。
ちょ、大倉くん、と最初は焦ったけどだらしない色気が最高だった。イケメンだからだらしなくてもかっこいいのか、だらしないからかっこよく見えたのか。
男女の境目をはっきり描いてなかったのがこの映画の特徴かと。ゲイ映画とかではない。人と人との恋愛映画って感じ。大伴は不倫してたし、今ヶ瀬ともキスまではしてたし、まあその辺に関してはだいぶ甘めだったこの設定がそう感じさせる要因だったかもと個人的には思う。
その境目にこだわってたのは今ヶ瀬の方だっていうのも良い。相手がどんな人か分からないから気にする、束縛したくなる。これを女々しいと捉えることができるかもしれない。煙草が全てを物語る。椅子も良いよね。
「女とセックスして本来の自分を取り戻したいでしょ?」っていう今ヶ瀬の言葉、大伴のキャラクターの核心をついたような台詞だった。ここで物語が巻き戻る。会社の後輩と付き合って今ヶ瀬と元に戻るプロセスは完全にデジャブだった。
最後別れたのは納得。大伴は何によっても満たされない。これって現代人の表象にも思える。不倫映画が流行るのもこれが理由な気がする。