みゆ

フォードvsフェラーリのみゆのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.5
劇場以来久しぶりに観た。ル・マン24時間耐久レースで王者フェラーリに挑むフォードの男たちを描く。フォードとフェラーリというよりも、経営陣と現場との戦いのようにも見える。が、実際はそれすらどうでもよくて、一人の純粋なレーサーを堪能するに尽きる映画。ようこそ7000回転の世界へ。主演のマット・デイモン、クリスチャン・ベールもこの2人以外はちょっと考えられないというほどに見事なハマり役だったと思います。特にクリスチャン・ベールの引き締まった体、才気走った感じは凄かったです。またクリスチャン・ベール演じるケンの妻役の方の佇まいだったりとか、脇のジョン・バーンサルなんかも見事で、ちょっとした演者のちょっとした視線、何気ない会話や仕草に的確な意味付けがされており、ジェームズ・マンゴールドの力量も巧み。本当に正統派な奇をてらわない、これぞ映画だなと思いました。レースシーンも特に斬新な演出をしているというわけではないですが、手堅く、手に汗握らされました。また、タイトルは『フォードvsフェラーリ』ですが、同じ会社の上層部との確執や、あらゆるvs構造、社会の縮図が描かれています。最高でした!
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