みゆさんの映画レビュー・感想・評価

みゆ

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デッドストリーム(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ホラー×コメディ×配信カルチャー風刺のド直球快作。最初は「また配信系ホラーか」と思わせておいて、そこから一気にスプラッター全開、しかもユーモアのツボがめっちゃ独特。主人公が、自業自得な言動で自ら地獄に>>続きを読む

インサイダーズ 内部者たち(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

腐敗を暴く、その手の中に信念はあるか。韓国映画の持つ"社会派エンタメ”の本領発揮とも言える痛烈な一作。政治・財閥・メディアが結託した構造的な腐敗の裏側を、義理と復讐と欲望がうねる中で暴いていく。そのス>>続きを読む

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「夢」が「現実」に侵食していく。"解釈不能なのに心を掴まれる”、そんな映画体験があるとしたら、これはまさにその一つ。ナオミ・ワッツ演じるベティは、夢のようなハリウッドに希望を抱いてやってくる。でも、そ>>続きを読む

ロザリー(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「女性らしさ」や「異質さ」の定義に揺さぶりをかける、静かで美しい"赦し”の物語。1870年、フランスの小さな村。ロザリーは優しく美しい女性だけど、彼女には誰にも言えない秘密があった。それは生まれつき、>>続きを読む

ヴィクラム(2022年製作の映画)

5.0

レビューもうちょっと丁寧に書きたいのでこれもすいません後日で。

幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.0

静かで、まるで祈りのような、観終わってから、胸の中にぽつんと「希望と絶望」が一緒に残る、そんな作品でした。主人公ラザロは、無垢そのものの存在。搾取され、騙されても、怒ることも、疑うこともしない。その優>>続きを読む

国宝(2025年製作の映画)

5.0

なんか色々で泣いてしまった。レビュー書いたけどもっとちゃんと書きたいので明日か明後日に…。

狎鴎亭(アックジョン)スターダム(2022年製作の映画)

3.5

美容外科のメッカ(そうなん?👀)ソウルの狎鴎亭を舞台に、美容整形ビジネスで成り上がろうとする男女の奮闘と、韓国社会の一面をユーモア交じりに描いた作品。マブリーが演じるチンピラ気質だけど情に厚いデグクと>>続きを読む

娼生(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

静かに、でも確かに心に爪痕を残す作品だった。この作品は「声を持たなかった女性」が、その声をようやく出しかけた瞬間に訪れる沈黙を、観る者に突きつけてくる。ジーン・カオ演じるフォンは、ただ「夢を見た」だけ>>続きを読む

オフトラック ~人生ただいま迷走中~(2022年製作の映画)

3.5

借金まみれで人生がボロボロのシングルマザー・リサと、真面目で空回りしてるお兄ちゃん・ダニエル。ふたりがスウェーデンの超過酷なクロスカントリースキー大会に出場することに。やる気ゼロの妹と空気読めない兄、>>続きを読む

シェフ!~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~(2012年製作の映画)

3.0

料理は芸術であり、情熱。ジャン・レノ演じる三ツ星シェフのアレクサンドルと、料理オタクのアマチュア青年ジャッキーがタッグを組むことで、伝統と革新、プロと素人、格の違いを乗り越えていくストーリー。この作品>>続きを読む

ユ・ヨルの音楽アルバム(2019年製作の映画)

4.0

まるで青春そのもののような、切なさと希望の交差点みたいな作品だった。1990年代後半から2000年代初頭という時代の移ろいを、二人のすれ違いの恋とともに繊細に描いていて、ラジオ、MD、CDなど、音楽が>>続きを読む

プロヴァンスの休日(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「思い出は、風のように痛みも和らげる」そんな優しい風が吹く、プロヴァンスの空気を丸ごと詰め込んだような一本でした。ジャン・レノ演じる祖父ポールの頑固さと不器用さ、それに反発しながらも次第に心を開いてい>>続きを読む

秋が来るとき(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

老いと死を穏やかに、でもはっきりと見つめた作品だった。主人公エミリー(エレーヌ・バンサン)は、長年連れ添った夫を亡くし、人生の「秋」を迎えた女性。彼女が静かに、でも誇りを持って“最期をどう迎えるか”を>>続きを読む

赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道(2010年製作の映画)

5.0

脚本 監督 高畑勲 / キャラクターデザイン 近藤喜文 / 背景美術 宮崎駿(初期)…ってすごいメンツ👀
この作品はまさに、少女アンの"心の種まき”の時間。グリーン・ゲーブルズにやってくるまでの数日間
>>続きを読む

彼は秘密の女ともだち(2014年製作の映画)

4.6

公開当時、劇場で観た。とてもオゾンらしい、性とアイデンティティを優しく、ユーモラスに描いた一作。親友の死後、彼女の夫ダヴィッドが"ヴァルジニア”として現れたとき、私も主人公クレールと同じように、混乱と>>続きを読む

大統領の執事の涙(2013年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

本作は「静かで雄弁なアメリカ現代史の回想」フォレスト・ウィテカーが演じるセシルは、黒人としての誇りと苦悩、そして父としての葛藤を背負いながら、ホワイトハウスの"静かな目撃者”であり続ける。公民権運動、>>続きを読む

二十日鼠と人間(1992年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

アメリカの小説家ジョン・スタインベックの原作をもとに、監督ゲイリー・シニーズが繊細かつ重厚に映画化したヒューマンドラマ。静かに胸を締めつける、切なさの連続。ジョン・マルコヴィッチ演じるレニーの無垢さは>>続きを読む

これからの人生(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

老いた娼婦と移民の少年が出会い、ぶつかり合いながらも互いを理解していく、静かで深くて、やさしくて切ない物語。ソフィア・ローレンは、この作品でまるで人間の尊厳そのものみたいだった。老い、過去、トラウマ、>>続きを読む

キスメット・ダイナー(2013年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

舞台は、レトロで静かなダイナー。ウェイトレスをしながらローラは歌い、自分の音楽をただ誰かに届けたいと願っている。お客さんの反応はまちまちだけど、彼女はひたむきに歌い続ける。そこにある日、聴覚障害のある>>続きを読む

終わりの鳥(2024年製作の映画)

3.5

戦争中のフランスを舞台に、ユダヤ人の少女サラと、彼女を匿った少年ジュリアンとの絆を描いた物語。R.J.パラシオ原作のベストセラー『ワンダー』の世界観を拡げたスピンオフだけあって、やさしさと勇気、そして>>続きを読む

ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

3.5

カルト・ミュージカル映画の金字塔。真面目な男女が嵐の中でたどり着いたお城で、宇宙人でマッドサイエンティストなフランク・フルター博士(ティム・カリー)に出会い、世界がどんどんひっくり返っていく、その展開>>続きを読む

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

4.5

泣いて、笑って、立ち止まって、また泣いて。インド映画の感情のジェットコースターっぷりが最大限に生きてる作品だった。工科大学を舞台にした青春群像劇だけど、ただの学園モノじゃない。これは教育、友情、夢、プ>>続きを読む

好東西-Her Story-(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

離婚を経て、年老いた父の世話をしながら自分の人生を再構築しようとする主人公・ルオイン(ソン・ジア)がたどる道は、決して派手じゃない。けれど、その一歩一歩に、強さと切なさと、愛がにじんでた。本作は、"女>>続きを読む

プレゼンス 存在(2024年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

この作品、ほぼ全編を「幽霊の視点」で撮るという、実験的な手法がすごくユニーク。あえて説明を削ぎ落とし、観客に感じさせるタイプの映画でした。主人公の少女(ルーシー・リュー演じる母親の娘)は、心に傷を抱え>>続きを読む

プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

善悪が簡単に割り切れない世界で、人が何を信じ、何を選ぶか、その選択の重さが心に刺さるサスペンス。誘拐された娘を取り戻そうとする父親ヒュー・ジャックマンの狂気とも思える必死さと、それを追う刑事ジェイク・>>続きを読む

ロックの礎を築いた男 レッド・ベリー ビートルズとボブ・ディランの原点(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

レッド・ベリーの存在感が圧倒的。彼のブルースには魂がこもってて、言葉じゃなく「生き様」で語ってる感じがした。これは音楽だけの話じゃなく、黒人差別の歴史とも真正面から向き合っているように感じたし、伝記だ>>続きを読む

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(2010年製作の映画)

2.5

壊れてしまった心と、それでも人を守ろうとする優しさが、嘘と真実のあいだでゆらゆらと漂っているような作品だった。事件のトラウマを背負った2人が、まるで子どものように見えて、でもその実とても深く、誰より大>>続きを読む

⾼野⾖腐店の春(2023年製作の映画)

4.0

「なにかを失った人」と「それでも毎日を生きている人」にとって、そっと隣に寄り添ってくれる作品でした。藤竜也さん演じる高野春男の、言葉少なで、でもちゃんと気持ちが伝わってくる演技が素晴らしかった。豆腐を>>続きを読む

ロスト・イン・シャドー(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

⚠️人によってはかなりしんどい描写もあるから、観る時は体調と気分ちょっと整えてからがいいです!

145分に及ぶ長尺ながら、息をもつかせぬアクションと深いテーマ性で観る者を引き込んでいく作品でした。物
>>続きを読む

ビジョン(2015年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「家族を守る」という言葉が、ここまで鋭く、そして美しく響く映画があっただろうか。主人公ビジェイは、学歴も財力もないただのケーブルテレビの技術者。けれど、家族のためなら彼は誰よりも賢く、誰よりも強くなれ>>続きを読む

カウントダウン(2024年製作の映画)

3.5

命の重みと、最後の選択を静かに、でも確かに問いかけてくる作品だった。余命わずかの刑事が、自らの死を目前にして「何を遺せるか」を問う物語。テーマ自体はよくあるものの、この映画が心に残るのは、アンディ・ラ>>続きを読む

ミステリアス・スキン(2004年製作の映画)

4.0

優しさの皮をかぶった残酷な記憶。少年たちの10年を描いたこの物語は、美しくも痛々しくて、どこまでも深かった。ジョセフ・ゴードン=レヴィット演じるニールは、魅力的で奔放で強そうに見えるけれど、その自由の>>続きを読む