ほのか

フォードvsフェラーリのほのかのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
3.9
レースのシーン怖かった…。車怖い…。
映画やで映画やで…って心の中で唱えてました。
2回もガッツリレース観てへとへとでした。そりゃ長く感じるわ。


いい年したおじさんなのに跳ねっ返りが強いケンのパーソナルスペースに入ることを許された人、みんな純粋がゆえの心の深い彼の虜になっていくのがよかった。純粋の上にとてもめんどくさいひねくれがのっかってるからみんな敬遠してしまう。けどそのひねくれに振り回されていた人たち、みんな大変そうだったけど真剣で楽しそうで、それはケンの話をちゃんと聞けばちゃんと自分と車とレースに向き合ってくれてることがすぐわかるからなんだろうなと思った。



シェルビーは目的を共にし、ずっと花形だったのに汚れ役を引き受けてくれた戦友であり良き理解者。
モリーは夢を共にし迷いを正し支えてくれる到底敵わない愛する人。
車は常に自分と共にあり、レースに関わる全ての人と一緒に手塩にかけて作り上げた相棒。
チームとは苦楽を共にし、ずっとサポートしてくれていた彼らがいたからここまで一緒に来れた。
そしてピーターにはいつも歓びを与えたいと思っていたんだと思う。自分が活躍すれば彼が喜ぶ、自分が車の話をすればキラキラした目をする。そんなピーターをずっとみていたかったんだろうなあと思いました。


ル・マンの前夜に、本番では一瞬で駆け抜けるあの場を、一歩一歩確かめる様に、あんなにも愛おしく感慨深そうに歩いていた姿に涙が止まらなかった…。