多福御膳

フォードvsフェラーリの多福御膳のネタバレレビュー・内容・結末

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

どのシーンが映っても色合いが堪らないし景色も美しくて、そこに最高の音楽も合わさってすごく心地が良かったし、かと思えば大迫力のレースシーンは圧巻でこれはIMAXで観ればよかった…!自分もレースを走っているかのような没入感で心拍数が上がりました。

初めてピーターが燃え上がる炎を見てからブレーキや扉を気にかける様子を見て同じように心配でドキドキしたけど、レースが終盤にさしかかるにつれて心配よりも応援の熱が上がる雰囲気、とっても良かったなあ。あと白熱するレースの途中で挟まる、フェラーリ側の慌てた様子(ストップウォッチ、転がる部品など…)をシェルが余裕げに少し笑うのが面白くて格好良かった。
これは実質フォードvsフォードの物語でしたが、ル・マンのレースが終わって華々しい優勝を大勢の人たちがお祝いするムードの中、苛立たしさや悔しさを口にするのではなく2人の方法で2人だけの道を歩いて行くのが凄く良かった…観ている私も悔しさで苦しかったのに、あの2人を見ると勝敗が全てじゃない、ましてや美しくない勝利なんてもっと意味がないと思えて、もやもや心でもつれていた糸がスッと解けたような気持ちになりました。

ただ、最後のシェルの溢れそうな気持ちとピーターの優しくて真っ直ぐな眼差しが夕日に照らされている姿はあまりにも綺麗で、その表情の理由が幸せなことだったら、ここにケンもいてくれたら、と寂しさが沁みました。
多福御膳

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