演出もトリックも数多のホラー映画で使い古されてきたものばかりなのに、誰にも真似できない映画に仕上がっててビビる。
時間の操り方が鮮やか。時間軸の演出にこれほどまでに絶望を抱かされたことはない……
序盤のハイテンポなアクションシーンからの「現在」への急な転換とか、トラウマの記憶をリアルに描き出してるなと思ったら違う意味合いもあったのね。
後半パートに入った瞬間の絶望感とどうしようもなさ、もの悲しさ、あれで『マーターズ』観たときの感情が急に鮮明に蘇った。
前半と後半で種類の異なる恐怖と、それらを包括する絶望や哀しみという感情。すべて1本に詰め込まれてるのは本当にスゴい。
正直、「ここで終わってよかったんじゃ……」と思った箇所が2か所あったんだけど、あのラストを見てその考えは完全に否定された。泣いてしまう。
めちゃくちゃ体力使うので、もう1回観たいけどしばらくいいかな……
