ゴーストランドの惨劇の作品情報・感想・評価

上映館(5館)

「ゴーストランドの惨劇」に投稿された感想・評価

久々に見応えのある胸糞映画だった!胸糞になっちゃうから多分2回目は無いけど、鑑賞中は感情揺さぶられっぱなしなのでスクリーンで一見の価値あり!
『マーターズ』の監督なので、ヒロインが突然不条理な目にあってしまい、その後ずっと胸糞展開!ただ、観やすい構成になっているので、適度にハラハラしつつ胸糞を堪能出来ます(笑)
けろえ

けろえの感想・評価

3.8
心理的にじわじわとくるホラーでした。さすがトラウマホラーというだけあり。
ただちょっとでも辻褄が合わない部分があると、そこが気になって集中できなくなってしまう…。
そんな感じの少しだけ「?」な部分があって、ちょっと残念。
でもホラーにそれを求めちゃダメなのかなー。
こうん

こうんの感想・評価

4.0
おいら、ホラーは好き。怖いの大好き。
でも、女の子や女性が(どんな理由があるとしても)苛められたりましてや虐待や凌辱されるような映画は苦手なの。「隣の家の少女」とかさ。
自分が年頃の姪っ子や娘を持てるようなおっさんになってしまったから、なおさら。つらい。


その一方で、どんなジャンルや傾向の映画でも「めっちゃ面白い」とか「よく出来た映画!」とか聞くと観たくなる。
観たいと思ったら、もうウズウズが止まらない。


でも、パスカル・ロジェか。
「マーターズ」の人でしょ。「グリーン・インフェルノ」はニッコニコで観れるけど「マーターズ」は予告編だけで脱兎のごとく逃げ出しました。
なので本作「ゴーストランドの惨劇」を観るには二の足三の足を踏みましたけど、仕事をサボ…調整して観てきました。


やっぱりつらいよ~!つらかった。夢も希望もある年端もいかない女の子がなんでこんな目に合わないといけないの。
絶望!希望…?やっぱ絶望!…きぼ絶望!絶望!
現実にいくらでも起きていることを、それでも人間性を信じて映画にする意図も分かるけど、やっぱ俺にはツライや。

しかし、憎いことに面白い!つらいけど面白い!よく出来ている!
なんなら泣いたともさ!

初めて観ましたけど、ロジェ、大したタマです。
「悪魔のいけにえ」+「サイコ」みたいなオナハシかと思えば、中盤くらいにクルっと物語世界を反転&逆回転させて、絶望と狂気のつるべ打ちを見せる中で、登場人物の抱えていた内面を前景化させてクライマックスに向けて昇華させていく…面白かった。
グラン・ギニョール的な作風をベースにホラー的なはたまたオカルト的な演出の呼吸が良かったし、主人公ヴェラのライジング物語としても、良かったしよく出来ていた。

でもツライ、辛すぎる!
…という二律背反する感情に苛まれて今ここにいます。

パスカル・ロジェの次回作、このままだとまたかなり躊躇しそう。
アジャが「ピラニア」リメイクしたいみたいな方向に行ってはどうでしょう?

このレビューはネタバレを含みます

見る前にはどんだけ恐ろしくて嫌な気分になるんだろうかとガクブルで席に着いたが、予想外の感動をもらって帰れた。

たしかにこれはスゴイ。
意外とパスカル・ロジェ監督はヒューマニストなのね。

もちろん怖いところはめっちゃ怖いし、ホラーオマージュもふんだん。

基本引っ越してくるとろくなことないよね。しかも田舎、周りに家無し、人形だらけ、などなど笑ってしまうくらいのホラーの定番が詰まっていた。あのアイスクリーム屋のトラックのまがまがしさも絶品。

悪魔のいけにえが一番影響色濃いけど、人形の描き方では「サスペリアPART2」、引っ越してきたことにより起きる惨劇という意味では『シャイニング』『アザーズ』『ドリームハウス』、闖入者に襲われる展開は『ファニーゲーム』や『サプライズ』なんかも連想する。

主人公ベスがラブクラフトを敬愛しているのもホラーマニアのロジェ本人の投影だろう。ただこの話とラブクラフトがあんまり関係ないのがちょっと残念だけど。

ロジェはトビー・フーパ―を敬愛しているらしい。

そして悪役二人の造形も中々のキモ怖ぶりでたまらない。あの巨漢のあいつとかどっから見つけてきたんだ。あの動きの俊敏さが恐い。女一人逆さまに持ち上げて匂いまで嗅ぐ仕草だって相当な筋力ないとできないし。まさに魔女とバケモノ。

しかしえぐさ自体は巧くオブラートに包んでいた。ドアとか家の装置の使い方がうまくて、絶妙に決定的な部分は隠しつつ、こちらに想像させる演出になっていたのも好み。

あの殴るシーンのリアルさもすさまじい。女優さんめちゃくちゃ体張ったな。
メイクもいい仕事してた。

カメラワークの速さもベスの目線だと思えば納得。そもそもあんな狭い家の中でこんな所狭しと動き回るのかなり大変だっただろうな。


そして一番重要な登場人物であるあの家の造形が素晴らしい。立地も含め良くあんな場所探してきたな。禍々しすぎるぜ!古び方も完璧!

二階建ての家のはずなのに三階に見えるように撮られているカットもあったらしい。
このロケーションだけでももう勝ったも同然だったんだろうな。

ここが舞台だったら別に捻りなしの普通のホラーでもかなりの作品ができたと思うが、このツイストのアイデアも秀逸。ただびっくりするだけじゃなく、人がなぜ空想をするのか、なぜ空想だけしていてはいけないのか、というテーマにも直結している。

あの双子の姉妹の性格の正反対さはまるで右脳と左脳。人間に必要な想像力と現実主義の両方の象徴のようだった。どちらもなければ人は過酷な現実を生きていけない。

ベスの逃避は必要なことではあった。それがないと希望が持てないし現実に押しつぶされてしまう。母親が「置いてったんじゃない、巣立ったのよ」とか「あなたが羨ましい」っていう場面も、ベスの脳内の事だと思うと切ない。



母親の死に耐えられない彼女の自己防衛のためだったんだろう。でも、あくまで逃避は逃避。

そこで現実主義者で俗物っぽく描かれていたヴェラがベスを引き戻して救う展開は胸アツ。
ヴェラみたいなキャラって大抵ホラーですぐ死ぬからこそあの子が重要なキーを握っているのがとても意義深い。


ベスが引っ越し初日に初潮を迎えるのも示唆的。彼女が大人になった瞬間、親の庇護がその日のうちに終わり、彼女のまえに人間だれしもがある程度は経験する過酷な現実を凝縮したような悪夢のモンスターたちがやってくる。彼らが少女を人形のようにするのも、大人になろうとしている存在を物言わぬ人形にとどめておこうとする歪んだ欲望みたいな意味なのかな。

あの動き回るカメラワークもまだ生き方の定まっていないベスの視点を象徴するかのよう。

そこで現実を諦めてかなうはずだった夢に逃げるのも物凄く気持ちは分かる。でも本当に叶えたかったら立ち向かうしかない。

だからこそ2度目にベスが空想に逃げ込んだ時に、母とラブクラフトに出会う場面はとても感動的だった。

ラブクラフトは過去の存在だが彼女にとっては目指すべき未来。イマジナリーフレンドとはいえ、そんな彼が「この作品は完璧だ。書き直すところはない」といって後押ししてくれるセリフに涙が出た。もう二度と戻ってこない母が「あっちはつらいことだらけよ」と言いながらも優しく見送ってくれるシーンも。

『パンズラビリンス』みたいに現実がクソだったら空想に逃げてもいいって言ってくれる映画も大事だが、空想が現実に戻る勇気をくれるこの展開はすごい。

ただ現実に戻って戦うことを決めた時点でもう決着はついている分、最後の攻防は正直あんまり盛り上がらなかったけど。舞台が朝になっているのも希望に向かっていることの象徴としては分かるけど怖さは削いでしまう。

ただ今までベスを怖がらせ苦しめていたあの機械仕掛け人形が最後の最後にピンチの彼女を救う展開には舌を巻いた。巧い伏線回収。

ラストのセリフも感動的でした。


あと下世話な話だけどベスの10代役の子がめちゃめちゃ可愛くて、大人になってしまった瞬間だいぶ微妙な感じになっていたから、また子供に戻ってくれた時が普通にうれしかった(笑)。恐怖におびえる顔が絶品。

あんな子がラブクラフト好きとか最高かよ。女優さんもこんな映画に出てくれるってことはある程度わかってる方なんだろうな。

不満点

悪役が拳銃を普通に使うのはちょっと興ざめかな。なんかもっとエグイ殺害が見たかった。あのトラックミスリードは巧いけどさ。

あとホラー演出としてジャンプスケアばかりやっているのはだんだん飽きてきた。BGMもステレオタイプだし。敵も途中から圧倒的絶望感がなくなっていたのが残念。


あと、あれがアメリカのどこなのか、なぜフランスからあそこに引っ越してきたかの説明は欲しかった。人形だってどういう理由であそこにあんな大量にあったのかわからないし。

それからあの犬は何の象徴だったのかとか、冒頭で走り回っていた男の子は何だったのかとか気になる部分も多い。

モヤモヤするからもう一回見ようかな。
2度と見たくないとかいうほどエグくもないし。

何にせよ今年を代表するホラーなのは間違いない。公開館少なすぎますよ。
ゆゆ

ゆゆの感想・評価

3.3
トラウマホラーということでめちゃくちゃ痛いんじゃないかとなかなか見れず、まず会社の人に行ってもらってトラウマ度をチェックしてもらいましたww
結論から言って観に行ってよかった!仕掛けも見事で、ハラハラドキドキ楽しめました。鑑賞後、数時間心臓がバクバク言ってたけど…w
わたしのトラウマゾーン(虫・汚物・バキボキ痛いex.サスペリア)は全然大丈夫だったので、ご参考までに!
Filmarksやってて良かったです。
フォロワーの方のレコメンドが無ければ、
小規模公開の本作を観る事は無かったと思います。
いつも皆さんありがとうございます!

ボクは基本広く浅く(時には深く)色んなジャンルを
観るようにはしているんですけど、
好きなんですが余り詳しくないのがホラー関係で。
「マーターズ」評判は聞いていたんですが未見だったので、
本作の監督もチェック出来てなくて。

ホラーにお詳しく魅力を熟知している、信頼しているフォロワーの方が話題にされていた本作、
予告や情報を見て、これは凄い!と即clip!
いかんせん公開規模が小さく、これは公開されたら早めに行かなければ、と新宿へ。
サービスデーだったのもありますが大盛況。
期待が高まる中、鑑賞したのですが。

素晴らしかったです。大傑作じゃないでしょうか。

まず、テンポ感や緩急の付け方が見事!
一瞬たりとも退屈させない、目眩く展開。
そしてそれらが全て伏線となり重なっていくから、
そこに辿り着いた時のそうだったのか!という
驚きが、ありとあらゆるショッカー描写が伴って
押し寄せてくるから堪らない。

田舎町に、ラブクラフトに憧れホラー小説を書き
作家デビューを夢見る内気な少女と、娘を溺愛している母、
そんな母や妹を疎ましく思っている、思春期真っ只中の姉。
家族3人で、亡くなった叔母の家に引っ越してくる所から物語は始まります。

妄想に耽りがちな妹の性格や、引っ越し先の叔母の家の
よく言えばアンティーク趣味、悪く言えば怖い
人形だらけという舞台、いかにもなホラー設定なのですが
それらが思いもよらない形で二転三転と物語を
推進していくのがとにかく新鮮。

それほどホラー作品を観てきたわけではありませんが、
きっとお詳しい方なら嬉しくなってしまうと思われる
ありとあらゆるホラー表現。
クラシックホラーを思わせるような、ハッとする美しいショットがあったり、
目を背けたくなるようなグロと言うより精神的に来る描写だったり。

演出、脚本、俳優陣全て見事としか言えない、
今後傑作ホラー作品の一本として語り継がれるような
作品だったと思います。

ご覧になられた方へネタバレをちょこっとコメ欄にて。
shinya

shinyaの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

近年のフレンチホラーの傑作「マーターズ」のパスカル・ロジェの6年ぶり新作。
冒頭のラブクラフトの肖像から怪奇な期待に心踊り、ロジェらしいホラー映画のクリシェを裏切るプロット、ビンタや吹っ飛ばしという即物性と悪夢的な展開が交錯する物語となっておりました。

本作を観ていて1番想起したのは「何がジェーンに起こったか?」で、細かくは面倒なので言及しないが、大枠のプロットの展開、姉妹設定で1人は売れっ子で精神病者、白塗りのメイク、母ポリーンが襲われる前の電話の相手の名前がジェーンだったのは偶然ではないかなと。
その他、激突、悪魔のいけにえ、エクソシスト、マーダーライドショー1.2、エクステ、シャイニングなどホラー映画への目配せも沢山ある。

ロジェは物語の途中で、この話…実は〇〇でした!というの劇的なツイストをやるのが好きな人。そして、倫理や思考の破綻した向こう側に未知の体験があり(狂気と言ってもいい)、その先に救済があるという傾向がある。
本作でいうとバケモノ&マンソン魔女の気狂いコンビに監禁、レイプ、拷問され、精神は破綻し、それを小説家という夢の想像で逃避しますが、それは恐怖の想像でもあるし、現実に戻った時の恐ろしさは想像を絶する。
ラスト、タイプライターを指差す母からの後押しに、小説を書くのが好きと言うベスの言葉は、どんな恐怖や不幸が訪れようともそれを糧に創造していく事を表明している。これはベス=ロジェの投影で、ロジェ自身がインタビューでもベスは自身を投影している発言していた。

本作は、女性の強さと家族の絆をベースに、想像と創造による、恐怖と救済を描いていた。「何がジェーン…」でも最後はある種の安堵の救済で終わる。
両作ともに恐怖と救済、そして解放を感じること出来る作品であった。

そして、あの殺人コンビのスピンオフ作品があったら観たい!
こわかった。本当にこわかった。
怖すぎてそのまま実家に帰ろうかと思った。

死霊館シリーズとかほっこりホラーしか見ていなかったのだ。
怖さと感動で泣いた。

久々の映画館でトイストーリーぶりだったから、けっこうきた。。。
うーんおもしろかったー。容赦ない陵辱がひたすら続く作劇に感心しきり。妄想の中でしか幸福がないという悲壮。大変にハードコア。『マーターズ』作った人だからなあ。
最初ラヴクラフトの引用があったから、やっぱりそーゆーやつが「出てくる」のかなーって思ってたら、まあ一応「出てくる」んですけどこれが…

このレビューはネタバレを含みます

最後、泣いちゃったよ………。
いや、これ、めちゃくちゃいい話じゃない???
グロくて、エグくて、ホラーだけど、パスカル・ロジェ、マジで性格いいから、ちゃんと「愛と希望を持った少女たちが邪悪な魔女と怪物に打ち勝つ話」にしてあるし……。

ここのところの映画の流行りのテーマとして、『ファンタジーの王国はそれをファンタジーだと認識して、過酷な現実に目を向けた時、初めて力を与えてくれる』という話になってるよね。

『心の中にファンタジーの王国を築き上げ、それをファンタジーだと認識することでしか、辛くて苦くて悲しい現実には立ち向かえない』という物語は、ファッキン『細田守』と『新海誠』とかのファッキンクソオナニーコカインファンタジーよりか本当は五億倍優しいんだけど。そのあたりみんな分かってあげてくれよ。

最後、彼女はファンタジーの王国を飛び出して、汚らしくて凄惨で、辛くて過酷な現実と戦う決意をするんだよ。
お姉ちゃんとお母さんへの愛のために……!
それだけで、あの子は勝っているんだよ……!
たとえあそこで殺されたとしても、彼女は勝者なんだ……!!!
そーゆーお話なんだよ。

すごいよ、パスカル・ロジェ!!!

あと、ちゃんとファンタジーの王国にラブクラフト先生が出てくるんでやんの。
あのシーン、なんてことないシーンなんだけど、あのシーンで主人公は「書くはずだった物語」から力を受け取るんだよね。

ファンタジーの王国の住民たちからの声援を受けて、現実と戦って血と汗と涙を流したものだけが、辿り着ける境地に達する者の話ってなんか、毎度目頭に来るんだよなあ。
これってイギリス児童文学ノリなんだな〜〜〜と思ったけど、パスカル・ロジェ、フランス人やん。
それはいいとして、同系統に『怪物はささやく』『ルイの9番目の人生』『パンズ・ラビリンス』『インサイド・ヘッド』があるので観てやってください。

イマジナリー・フレンドとイマジナリー・彼氏が君らに現実を生きる力を与えてくれるよ、という話……めっちゃ「フィクション」の本質に迫ってるよなあ、って思うね。
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