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DUNE/デューン 砂の惑星のAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
4.2
(記録漏れ、備忘録、怒涛の書き殴り雑文)
かなり久々のIMAXレザー上映を鑑賞。
予告編と本編の間に置かれたIMAX社の宣伝映像が楽しい。どこか異世界に連れてかれそうな。


原作DUNEのファンで、リンチ版もホドロフスキー版も観て満を持して鑑賞した層。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新作という事で来たSFファンというより映画好き層。
どちらでもないティモシー・シャラメのファン層
とかとか、どの層(ファンダム)がどこを観るかで全然違うし
評価が別れてるのは凄いわかる。

自分はリンチ版は未見(今度U-NEXTで観るぞ!)ホドロフスキーのDUNEで予習しといて良かった。

他のSF作品とDUNEを分ける要素としてベネゲセリットの設定が大きいと思うし自分はそこが凄くすき。
・永く支配を続ける皇帝家、
・アトレイデス家やハルコンネン家などの名門領主も力を有していて、
・さらに惑星間の輸送を牛耳る航宙ギルド
この三大勢力に加えてベネゲセリットという魔女的な超常能力を持った女系の秘密組織が存在する。ベネゲセリットは皇帝や名門領主にも影響力を持っていて、何世紀にも渡り婚姻、出産を計画的に操っていて、優生思想的な新しい人類の誕生を目論んでいる。
主人公ポールは、自分がアトレイデス家の長になることすら上手く受け入れられない(「ゴッドファーザー」のマイケル・コルレオーネを想起した)のに、自己の出自にベネゲセリットの陰謀が絡んでいる事を知り、更にアイデンティティに悩む。
セリフに頼らず表情で語るシャラメの演技。顔面ドアップの連続に耐えうる、さすが当代きっての二枚目俳優。

本作で称賛されている衣装デザインやメカデザイン等々のビジュアルデザインの中で一番グッと来たのがベネゲセリットの衣装デザインで、
高貴なたたずまと、この世ならざる不気味さをあわせ持つ事が、余計な説明なしに視覚的にわかる見事な演出・美術。
全身黒の装束にフランス料理の料理長みたいに高い帽子。顔はベールに包まれ
教母を演じた名女優シャーロットランプリングがほぼ顔を表さない贅沢なキャスティング。

もう一人、この圧倒的な洗練されたビジュアルデザインに引けを取らない演技をしていたのが主人公ポールの母親役レベッカファーガソン。
彼女は実は原作DUNEを未読で内容を知らずに出演したらしいが、演技について天性の勘が有るのか、一番この世界観にあっているように感じた。

等々、
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