せきとば

DUNE/デューン 砂の惑星のせきとばのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.6
確かに現代主流の小気味良いテンポ感からしてみれば冗長に感じるかもしれない構成ではあるけど、このドッシリ感に触れられることはコロナ禍で忘れかけていた映画の喜びの根源だ。あるいはコロナ以前から起きていたコンテンツ(と呼ぶのは苦手だが…)のファスト化に合わせて投棄する事になった大事なパーツをこの映画は両腕いっぱいに抱えている。Netflixであればどれだけのシーンを見逃していただろう…。

この壮大なSFハムレットに際してCGは控えめに演出とコミュニケーションで現していく物語重視のバランス感。これでも過去作から比べたら台詞による明示は減った方?どちらにせよこの監督だからこそできる妙義で、SF映画の至上命題であるリアリティの追求に対してリアルをぶち込んで勝負するという気概が素晴らしい。あと美術部隊の仕事が細かくてとにかく最高。舞台を作り込んだ1作目に対して次回がどうなるのかかなり楽しみ。
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