チーズマン

DUNE/デューン 砂の惑星のチーズマンのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.8
まずIMAXで鑑賞して正解でしたねこれは。
迫力と没入感がすごいですね。
久々のレーザーIMAXは良いですね、贅沢な時間過ごしてるなあと思って観てました。
それに、ふさわしい映像の作品でしたね。

原作小説も昔の過去の映画版も何も知らない状態で観たので、このDUNEの世界観がやはり新鮮でまさに映画体験という感じでした。
広大な砂漠はもちろんですが、衣装や小道具1つ取ってもしっかり作品世界の背景を感じさせるよう作りも良かったです。
そういったところは十分に満足したんですが、一本の映画としては物語というか話しの軸がちょっと弱くて長く感じてしまいました。
なんなら途中で睡魔がチラリとこちらを覗いてくる時も…。
足してから思い切った引き算するような画面の美しさや音の圧力とかドゥニ・ヴィルヌーヴ監督らしい作品なのは間違いないので好物でしたが、これって実はなかなか際どいバランスで成り立っていて、今回みたいに1作単独で完結しない話のストーリーテラーとして相性があまり良くないのかなと思いました。
物語という軸が弱いとじっくりと見せる映像美と音楽が強すぎて逆に物語の“間”が単調に感じてしまう瞬間が少なからずありました。

同じように過去の人気作を手掛けた『ブレードランナー2049 』はちゃんとレプリカントの物語として完結し、観る側もそこに向かって乗っかっていたからこそ重厚な間をしっかり取るテンポと、引き算の画面の美しさが際立つものになっていたように思います。

今回は物語よりも、どちらかといえば現状トップクラスの技術で創り上げたDUNE世界観の紹介のため一作といった要素が強かったと思いました。
まあ紹介だけでこれだけ楽しませてくれるのも凄いことなんですが。

ただ、本来のドゥニ・ヴィルヌーヴ作品の醍醐味は、毎回最後に一気に映像音楽編集とシナリオのが巨大な塊となって映画全体を捲り上げるようなストーリーテリングだったんだなと個人的なツボに今回は気づけたので良かったです。

あとティモシー・シャラメはこの為に役者になったのかというぐらいピッタリハマっていて、間違いなく代表作になると思います。
今回は個人的にはドゥニ・ヴィルヌーヴ作品ファンとして消化不良だったので、続編が早く観たいですね。
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