このレビューはネタバレを含みます
過去ドゥニ作品のネタバレもあります。
緩慢なSFからの脱却。時間的な余白のかわりに空間的な余白を多く取り入れる。ひとつひとつのクライマックスが厚い。「ボーダーライン」以来の緊迫感。場面場面の質量で胃もたれしそうになるところを、ハンスジマーの音楽が助ける。バグパイプや口琴を使った曲がかっこいい。
「メッセージ」を彷彿とさせるポールの時間の捉え方が次回予告の役割を果たす。ホワイトアウトのチャニで切り替わる感じ。
近接戦アクション
巨大生物:「複製された男」「メッセージ」
全体的に黄味がかった色彩。そのうえで、モニュメントの規模感、砂、岩、布の質感を使った飽きさせない画面構成。
ライアン・ゴズリングに引き続き、ラブロマンス御用達俳優を重厚なSFに引き込んでさらに覚醒させるシリーズ。ティモシー・シャラメの演技に感服。特に箱に手を入れるシーン。
(過度な期待:出自や運命からの脱却をクリアするのかしないのか。もしPart.3が出るならオリジナルラストはどうなるのか。)