武者鬼

ドラゴンクエスト ユア・ストーリーの武者鬼のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ラストまでで言えばかなり良い
ラストがそういう感動を見せたかったのだろうけどそれを直接言ったら冷水を浴びせているだけというのを現場判断できなかったのだろうか

私は原作のゲームを遊んでいません
パパスがいて嫁選択があるのとスラりんが出てくることくらいしか知らなかった

・ストーリー
たしか原作は結構長いストーリーだったと思うが良くまとめている感じがする
大事なシーンと思わしきところは全部とは言わないがちゃんと回収できてるのではないだろうか?
少なくとも原作で遊んでない私でもストーリーは理解できた
ラストのシーンは最期に記載するため一旦置いておこう

・演出
おそらくディズニーを参考にしたであろうセンシティブの度合いはとてもいいと思う
もっとリアルにしろという声は大なり小なりあるかもしれないが多くの人間に見てもらうためなのとそのリアルさが必要な話とは思えないからだ
戦闘アクションはちゃんとしてるし魔法をただ唱えるだけではなく唱えてかつ次の行動をするというのはコマンドバトルでは出来ないリアルな戦闘である
ここは個人的にかなり良くできていると感じた
体と同じくらいの武器をただ振るうだけではなくその重さを使ったシーンも多く納得感のある戦闘と言えるだろう

・問題のラスト
ラストのミルドラースに入り込んだウィルス戦という設定
これは脚本として何を狙ったかと言うとまんま戦闘中にリュカが言っていたセリフそのものが答えだろう
この映画を見て「これ(ドラゴンクエストをやって感じた思い)は俺たちの本物なんだ」というのを抱いてほしかったに違いない
光のお父さんもそうだが「確かに私達は光の戦士だったのだ」という思いを抱けるから共感されたのだ(あっちは実話だけど)

ではなぜ不快度指数が高く感じたのか

それはあまりに直接的なのとあの存在そのもの(闇のプログラマーとウィルス)が監督ひいてはこの作品に投影されてしまうからだろう
別に監督が本当に現実に戻りなさいと思っているわけではないだろう
しかしそれを言葉にしてしまったら「これが俺たちの本物なんだ」と本当に思ってるからこそ見に来ている人はあのリュカと同様に本気で怒るとは思わなかったのだろうか?

ある意味でその目論見が成功したと言える

完全悪の山崎貴監督という名のミルドラースを討伐した視聴者という図式が完成してしまったのだ

しかしそこに達成感はない
「良かったな、お前こそが勇者だぞ」と言われても嬉しい訳がない
本当に必要なのは過去のプレイを想起しながら
「俺も勇者だったのだ、この世界を俺は救い、涙を流し、そしてこの世界だから感動したのだ」という思いをエンディングで抱けるようにしないといけなかったのだ

最後のシーンまでなら★4だったのに最後の要らない押し付けられた演出で★3になりました
武者鬼

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