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生理ちゃんのトレバーのレビュー・感想・評価

生理ちゃん(2019年製作の映画)
4.5
違っているんだから、分からないのは当たり前。
だから、考える。どうしてあげればいいのか。
どれだけ辛いんだろう、我慢してきたんだろう。
嫌な思いをしてきたんだろう。
でも、とても大切な事。
考えて、自分が出来る範囲の事、気遣いを
押し付けがましくならないように、、、。

今まで、そう心掛けてきました。

この映画を観て、改めて色んなことを考えました。
これからも、相手の気持ち、体調に寄り添うようにしてあげたい。

違っているからわからない、では無くて
違っているからこそ分かろうと努力する。

映画の中で、主人公が上司に怒られて
洗面所で生理のしんどさに耐えていると
(生理ちゃんというゆるキャラが生理になると現れて、重さにより大きさが違うんです)
先輩が、私は生理を言い訳にはしたくないの的な
事を主人公に言うんですが、先輩の生理ちゃんは
化粧ポーチに入る程度なんですね。

同性なのに、寄り添えてないんですよね。
個人差があるのは当たり前なんです。
同性でもこうなんですから、思いやりのない
異性なんてそりゃあ酷いもんでしょう。

日本の場合、教育の問題や所謂「穢れ」的な
下らな過ぎる因習、それらから来る必要以上の
恥じらい等でより男性の理解が無かったり(知る機会も無い)
なるべく話題に出さないようにしたりがあると思うんです。
決して、「パッドマン」インドの事を笑っては
いられないと思うんです。

同棲や結婚で一緒になっても、男のほうから理解する事は中々無いし、
女性からも言いづらいでしょう。
かつてボクも半同棲していた時は察してあげたり
腰をさすってあげたりくらいしか出来ませんでした。

本作は、男女の生理現象をゆるキャラ化する事で
生々しさにワンクッション置きながら、
お互いの違いを分からないなりに考え、察し、
思い遣り寄り添う事の大切さをコメディタッチの
短編で伝えてくれます。

思いやれているようで結局上手くいかなかったり、
ズレズレのようでお互い擦り傷作りながら
理解しあっていったり、初々しいトキメキだったり
登場人物ごとに色んなケースをオムニバス的に
見せてくれるんですが、
特に個人的にときめいたのは
隠キャで、掃除バイトをしながら人間観察した面白ブログを黙々と書き、
誰にも見せないマンガを書き、レトロゲームを
真っ暗な部屋で遊ぶ、
喪女の女の子山本さん。
伊藤沙莉ちゃんが見事にアカン女の子を演じてるんですが
ダメ過ぎて可愛い、、、w
演じているコが可愛いのもあるんですけど、
個人的に、もがいている女の子が好きなんですw
陽キャとか、何も考えてないような子には惹かれなくて。

山本さんの、恋かもしれないけどそれを信じて
裏切られる事が怖くて堂々巡りして、
そんな悩み苦しんでる時に生理ちゃんが来て、、、
「わたしはずっと1人なんだからあんたなんかいらない」
生理ちゃんがトボトボ去っていくんですが、
山本さん恋がうまく行きそうになって、、、
急いで生理ちゃんを追い掛けるんですよ。
これが切なくって。

毎月やってきて、身体には必要な事だけど
辛くて面倒な数日間。
せめて、身近にいる人には優しくありたいです。

異性に限らず、人はひとりひとり違っていて当たり前。
違っているからこそ面白いし、惹かれるんです。
そして、思いやり、寄り添いたい。

今世の中は、線引きばかりしようとします。
性、人種、貧富、美醜、思想。
違っているものは敵、にしたがる。
無理やり違うという事にして敵にする。
日本から出て行け、なんてお前が出て行けよ!

あと、自分を棚に上げて平気で人を断罪する。
芸能人の脱税には厳しいのに権力を持った人や
企業の脱税には黙っちゃうのはなんなんでしょう。
あと、企業とかが帳簿を紛失してしまったら
大変な事になるじゃないですか。
何故政治関連だと有耶無耶に出来てしまうんでしょう。

強い者は叩けないから、弱っている者に攻撃する。

これ、この映画の体調悪い主人公(二階堂ふみが良かった!)
に怒鳴り散らし、さも生理を言い訳に出来るから
いいよねとばかりな態度を取るクソ上司と同じですよ。

分からなくても、共感性を持って思いやれば
世の中上手くいくんですけどねー。
大切なのは、お互いが、ですけどね。
女性も男性の事を思いやってほしいです。

ヤバい、久々本気で書いたら長ーくなってしまいました。
本作、気軽に観られるコメディなので、
上映館少ないですが機会があれば是非!
配信待ちでもオススメです!



本作、リスペクトしているフォロワーの
がんがんさんのレコメンドで観に行きました。
とても良かったです!有難うございます。
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