ボロロボ

グレース・オブ・ゴッド 告発の時のボロロボのレビュー・感想・評価

3.8
「スポットライト」と同じ題材だが、報道側の視点から描かれた「スポットライト」と違って、当作は被害者側の視点から描かれた作品と知り、観てきた。

まあ・・・予想どおり重い内容。
そしてやはり一筋縄ではいかなかった・・・

視点人物3名によって見事に序破急のペースを作り出していて、お話に引き込まれる。序のアレクサンドルは静かな水面に投げ込まれる石、破のフランソワは広がっていく波紋、急のエマニュエルは波紋による大きな波だ。

歴史そして権威ある団体との戦い。
世間の目との戦い。
トラウマとの戦い。
信仰心への問いかけ。
家族にとっての試練。
封印したい過去への葛藤。
己の生活基盤維持のための逡巡。
集合離散。

生活に根付いている信仰心と権威ある立場を利用する小児性愛者。
活動維持のために宗教団体が重視(評価)する集金力と、それ故に隠蔽される性犯罪。
お金がなければ維持できないのは理解できるが、寄進を得たなら信者の心の拠り所になるべきなのにそれを踏みにじるなんて・・・ホントに反吐が出る。
何故もっと早くに自浄作用が働かなかったのか。脈々と続いていて見て見ぬふりをすることが習慣になっていたからではないか。

以下は蛇足です。














宗教を否定したりはしませんが・・・
ウン十年を生きてきて宗教のダークサイドを多く見てきた私は、何らかの宗教の信者になるつもりは全くありません。
父を弔う際は、地元と親戚一同に根付く宗教に則ることが亡き父への手向けになり且つ親族も納得するであろうと思ったので、その宗教の儀式を踏襲しましたが・・・私が死んだら仰々しい儀式など不要と思っていて、我が家族には「家族葬か海洋葬でよろしく」と話しています。
宗教のライトサイドも経験したし、人生において多大な影響を受けた素晴らしい宗教家にも出会いましたが・・・信じることにおいても自由でいたいです・・・なんて偉ぶる割に、都合よく神様仏様に祈願してたりしますけど(苦笑)。日本という、宗教において極めていいかげんで極めて懐広くて深い国に生まれてよかったと思ってます。神仏習合なんて、ホントにめちゃくちゃでホントにスゴイww
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