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ワン・セカンド 永遠の24フレームのchipのレビュー・感想・評価

4.2
起伏の激しい砂漠を自在に駆ける人たち…
特に冒頭の砂嵐の風景は砂の惑星を思わせる。。
きっと自分なら右も左もわからなくなる、
そんな砂漠近くの町の映画館を目指す男と少女。。

チャン・イーモウ監督作品を映画館で観るのは「妻への家路」以来二度目です。
風変わりなロードムービーのようでもあり、映画賛歌でもあり…
そして娘を思う父の物語。。
とても良かった!
思い切って映画館に行って良かった。

文化大革命下の中国、小さな町で…
数ヶ月に一度の映画上映日はお祭り騒ぎ、
椅子やはしご持参で映画館に集う人々…
すでに何度も観た映画でも皆目を輝かせてスクリーンを見つめる。
「ニューシネマパラダイス」を思い出した。。
汚れてしまった16ミリフィルムを丁寧に荒い乾かして、
そして巻いて。。
好きなものを大切にする人たちがいる、
映画を愛するひとたちがいる…
そんなことをたくさん感じることができました。


男の目的は映画そのものではなかったけれど…
一瞬だけ映った娘の姿を見た男の目には、
とめどなく流れる涙があって…
本当に良かったなぁ~と思いました。
”追いかけっこ”をした少女も訳ありでしたが、
終盤は互いを思い遣っていたと思います。
再会した時の少女の走り方は…
「初恋のきた道」のチャン・ツィイーに似ていました♡
残ったのは包み紙の新聞紙だけ…
それでも笑顔の二人…
気持ちは伝わったよね~

そして時代が変わったことを感じました。
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