CharlieZG

ワン・セカンド 永遠の24フレームのCharlieZGのレビュー・感想・評価

3.5
娘見たさに映画を見に来る男とフィルムを盗む娘の織りなすヒューマンドラマ。

文化大革命が終焉を迎える2年前、つまり1975年頃の中国の農村が舞台。
産業が停滞し混乱する社会で月1回の映画上映が村を挙げての一大イベントになっていて、皆んながフィルム到着を心待ちにしていることが物語の骨格、そこに疎遠の娘、親なし姉弟、脳性麻痺の息子などの話が絡み、上映される映画「英雄子女」でも父娘の対面があり、家族への想いが乱暴でありながら僅かな心の触れ合いとなり胸に響いた。
これ見よがしな絆に展開せず、あっさりとした関係が逆に好印象。

これを中国版ニューシネマパラダイスという声もあるが、映写技師に育てられたノスタルジーとは無縁のストーリーで私には別物にしか見えなかった。

本作デビューのリウの娘役リウ・ハオツンが小汚い盗人娘を熱演、最後に見せる愛らしい三つ編み姿とのギャップにやられたのは私だけか(笑)
広大な砂漠の風景の美しさにも目を奪われた。

これは昨年観たかったけど近隣の上映館がなく諦めた作品。
やっと観れた。
良かった。


監督 チャン・イーモウ

キャスト
チャン・イー
リウ・ハオツン
ファン・ウェイ
CharlieZG

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