三鷹

赤い闇 スターリンの冷たい大地での三鷹のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

「酷い」と言うには足りないくらい酷すぎる。この過酷な雪の状況(思ったよりも気温は低くはないが)、そして人為的に起こされた数百万人が餓死という大飢饉。
寒さと飢え、そんな現実を目の当たりにしたイギリス人記者ガレス・ジョーンズが世界にこの惨状を伝えた実話をもとに製作されたという。
ウクライナの地で暗転。色彩のトーンを落とし、ただ血肉と炎だけが色を持つ鬱々とした映像が最後まで胸の奥に燻る。
ソビエト連邦、殊にスターリンによる統制の時代は鉄のカーテンと比喩された時代よりも前だが、もうこの時代から鉄壁が建っているのではないのか。こんな国政では何が起きているのか世界は知る術もない。

ホロモドールの歴史は調べれば調べるほど映画で描かれたこの程度ものではないと理解が進むが、先ずは何が起きたかを知る事がこの映画で出来る。
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